2018年オーストラリアGPの表彰台、シャンパンファイトするハミルトン、ベッテル、ライコネン
copyright Pirelli

F1レギュレーション解説「ポイント制度 & チャンピオンシップ編」

  • Published: Updated:

F1スポーティング・レギュレーションの中から、チャンピオンシップポイント及び選手権そのものに関連する主だったルールを厳選しその要点を以下にまとめる。

チャンピオンシップについて

  • ドライバー選手権と、コンストラクター選手権の2つで構成される
  • 選手権のタイトルはエンジン製造者ではなく車両の製造者に与えられる
  • チーム名称: 車体製造車名の後にエンジン製造車名を置くこと
  • 選手権の競技会数は最多23戦、最少8戦
  • カレンダーは、毎年1月1日までにFIAが発表する
  • 参戦希望チームは、前年の10月21日から11月1日の間にFIAへ書類を提出
  • 参戦は最大13チームまで、各チーム毎に2台をエントリー

決勝レースについて

  • 各グランプリのレース走行距離は最低限305km以上
  • モナコGPは唯一の例外、260kmを超える最小周回数がレース周回
  • セーフティーカー先導でフォーメーションラップが行われる場合、その周回はレース周回数に含む
  • 出走台数が12台未満の場合、イベントの中止が可能
  • 決勝レースは合計2時間以内。超過の場合は2時間が経過した周回でチェッカー
  • 中断が発生した場合、中断時間分を含め計4時間

スプリントについて

  • 規定周回数は100kmを超える最も少ない数
  • 最大1時間。中断の場合は最長1.5時間まで
  • リタイヤやDNS者は完走周回数の多い順に決勝グリッドに並ぶ
  • 勝者は公式にポールシッターと記録
  • FP3を廃止として2日目の午後に開催
  • 上位3名に”表彰台記録”が与えられる事はない
  • スタートタイヤは自由

ポイントについてのルール

決勝ポイント配分

順位 ポイント数
1位 25点
2位 18点
3位 15点
4位 12点
5位 10点
6位 8点
7位 6点
8位 4点
9位 2点
10位 1点

上記とは別に2019年以降は入賞者を対象にファステストラップを刻んだ者に追加で1点が付与される。

なお、レースの90%以上を完了したドライバーは、チェッカー時の走行状態を問わず完走扱い。

短縮レースの場合のポイント配分

レースが中断され再開不能の場合、従来はレース距離の75%以上が完了していればフルポイント、2周以上75%未満の場合ハーフポイント、2周未満の場合ノーポイントという扱いであったが、2021年F1ベルギーGPでの物議を経て2022年にルールが改定された

F1コミッションは2022年シーズンの開幕を前に、セーフティーカー(SC)またはバーチャルセーフティーカー(VSC)の介入なしにトップが最低2周を完了しない限りポイントを与えない事とした。

更に、規定周回数に満たないレースで与えられるポイント配分も変更された。ラップリーダーが2周以上周回してもレースディスタンスの25%に満たない場合、ポイントは以下のように上位5位までに限定される。

  • 1位:6ポイント
  • 2位:4ポイント
  • 3位:3ポイント
  • 4位:2ポイント
  • 5位:1ポイント

また、ラップリーダーが25%以上、50%未満の規定レースディスタンスの消化した状況でレースが終了となった場合には以下のように上位9台にポイントが与えられる。

  • 1位:13ポイント
  • 2位:10ポイント
  • 3位:8ポイント
  • 4位:6ポイント
  • 5位:5ポイント
  • 6位:4ポイント
  • 7位:3ポイント
  • 8位:2ポイント
  • 9位:1ポイント

そしてレースが規定レースディスタンスの50%以上、75%未満で終了した場合は以下のようにポイントが配分される。

  • 1位:19点
  • 2位:14ポイント
  • 3位:12ポイント
  • 4位:9ポイント
  • 5位:8ポイント
  • 6位:6ポイント
  • 7位:5ポイント
  • 8位:3ポイント
  • 9位:2ポイント
  • 10位:1ポイント

スプリントでのポイント配分

2021年の試験導入の際は上位3名に3-2-1のポイントが付与されたが、2022年シーズンを前にレギュレーションが改定され、以下のようにポイント対象が拡大されると共に、付与される得点も増額される事となった。

順位 ポイント数
1位 8点
2位 7点
3位 6点
4位 5点
5位 4点
6位 3点
7位 2点
8位 1点

同着の場合

シーズン終了時に同一ポイントが発生する場合は、以下の方法で勝者を設定する。

  1. 優勝回数が一番多い者
  2. 優勝回数が同一の場合、2位の回数が一番多い者。以下同
  3. 上記で決しない場合、FIAが勝者を決定

手短に2022年のF1レギュレーションを知りたい方は「2022年F1ルール主要変更点のまとめ」を、より詳しくルールの全体像を知りたい方は「F1ルール完全網羅版」を参照されたい。