F1、スパでの雨の茶番劇を経て短縮レースに関するポイント配分ルールを変更
F1はスパ・フランコルシャンで開催された2021年F1ベルギーGPでのファンからの批判を受け、短縮レースの際のポイント配分を定めたレギュレーションを変更する。
従来はレースが途中中断され再開される事なく終了となった場合、レースディスタンスの75%以上が完了していればフルポイント、2周以上75%未満の場合ハーフポイント、2周未満の場合ノーポイントという扱いであった。
だが2022年のF1では、セーフティーカー(SC)またはバーチャルセーフティーカー(VSC)の介入なしにトップが最低2周を完了しない限りポイントが与えられない事となった。
昨年の8月に開催されたF1ベルギーGPは激しい雨に見舞われ、SC導入下でフォーメーションラップが行われるなど、レース開始を前に混乱に見舞われた。
最終的には3時間に及ぶ赤旗の後、SCが隊列を先導する中でレースをスタートさせ、ハーフポイント獲得の条件たる2ラップのレース周回数をこなして終了を迎えた。
その結果、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝し、トップ10に通常のポイントの半分が与えられた。71年に渡るF1史の中で最も短いグランプリとなった。
これに対して、現地プロモーターやテレビ放送局との契約を満たすためだけにレースを成立させた茶番との批判が飛び交った。
ルイス・ハミルトンはスパでの物議を経てF1に対して観客へのチケット代金全額返金を求めたものの、結局実現する事はなかった。
こうした状況を受けF1コミッションは、2022年シーズンの開幕に向けて行われた2月14日の会合の中で、スポーティング・レギュレーションの変更を承認し、SCやVSCの導入がない状態で最低2周しなければポイントを付与しない事を決定した。
更に、規定周回数に満たないレースで与えられるポイント配分も変更された。ラップリーダーが2周以上周回してもレースディスタンスの25%に満たない場合、ポイントは以下のように上位5位までに限定される。
- 1位:6ポイント
- 2位:4ポイント
- 3位:3ポイント
- 4位:2ポイント
- 5位:1ポイント
また、ラップリーダーが25%以上、50%未満の規定レースディスタンスの消化した状況でレースが終了となった場合には以下のように上位9台にポイントが与えられる。
- 1位:13ポイント
- 2位:10ポイント
- 3位:8ポイント
- 4位:6ポイント
- 5位:5ポイント
- 6位:4ポイント
- 7位:3ポイント
- 8位:2ポイント
- 9位:1ポイント
そしてレースが規定レースディスタンスの50%以上、75%未満で終了した場合は以下のようにポイントが配分される。
- 1位:19点
- 2位:14ポイント
- 3位:12ポイント
- 4位:9ポイント
- 5位:8ポイント
- 6位:6ポイント
- 7位:5ポイント
- 8位:3ポイント
- 9位:2ポイント
- 10位:1ポイント
本改正案は世界モータースポーツ評議会(WMSC)での承認を経て正式決定される見通しだ。