カーリンより2019年のインディカー・シリーズに参戦するメキシコ人ドライバーのパトリシオ・オワード
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レッドブル、注目の若手パトリシオ・オワードを育成に起用…F1参戦に大きく前進

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F1に参戦するレッドブル・レーシングは5月9日、メキシコ出身のパトリシオ・オワード(Patricio O’Ward)をジュニアチームに起用した事を明らかにした。6日に20歳を迎えたばかりのオワードは、インディカー・シリーズからF1への転向を目指してキャリアを歩む事になる。

「これは僕にとって素晴らしいチャンスだ」とオワード。「当然の事ながら、レーシングドライバーであれば誰もがF1に注目しているし、世界チャンピオンを目指している。レッドブル・ジュニアチームはこれまでに多くのドライバーにF1の可能性を提供してきた。そんなチームの一員になれるなんて、僕にとっては最高のチャンスだ」

オワードは、2018シーズンに勝率5割を超える強さを示してインディ・ライツのチャンピオンを獲得。その年のインディカー最終戦に、ハーディング・レーシングからスポット参戦して9位フィニッシュを果たし、周囲を驚かせた。

今季はコルトン・ハータと共に、ハーデング・スタインブレナー・レーシングからインディカーにフル参戦する予定であったが、開幕前テスト前日に突如契約を解消。シボレーエンジンを搭載するカーリンとの契約を勝ち取り、2019年はインディ500を含むシリーズ13戦に出走する。

オワードがF1に到達するためには、まずは今季インディカーで印象的なリザルトを収めた上で、来季はFIA-F2選手権で欧州のサーキットに慣れる事が最短経路と考えられる。

F1参戦に際してはスーパーライセンスが必要となるが、オワードはインディ・ライツでのチャンピオン獲得によって15ポイントを獲得。要件の40ポイントまでは25ポイント足らない計算となるが、オワードが既に要件を満たしている事をクリスチャン・ホーナー代表が確認済との報もある。

出走レース数なども加味しなくてはならないためライセンスポイントの計算は意外とややこしい。オワードはフォーミュラ・マツダやIMSAでポイント付与対象となるランキング上位を獲得しており、これが認められると合計40点に達する事となる。そうなると、場合によっては今季中にもF1参戦可能となるわけだが果たして。

レッドブルは現在F1に4つのシートを確保しており、その中の3つに座るドライバー達は今季限りで契約が満了を迎えるが、育成ドライバーの有力候補はダン・ティクタム一人のみという状況だ。