レッドブルRB19の上に乗りガッツポーズでファンの声援に応えるポールポジションのマックス・フェルスタッペン、2023年8月26日F1オランダGP予選
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大番狂わせお構いなし、フェルスタッペンが混沌母国で3連続PP!角田は僅差でQ3逃す / F1オランダGP《予選》結果とダイジェスト

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如何なる混乱や不確定性も今のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の前には何の意味もなさかった。熱狂的応援団、オレンジアーミーを前にフェルスタッペンはランド・ノリス(マクラーレン)に0.537秒もの大差をつけ、今季9回目、3年連続の母国ポールポジションを獲得した。

8月26日(土)の2023年FIA-F1世界選手権14戦オランダGP予選は、ウィリアムズがダブルQ3進出を達成する一方、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がQ2落ちを喫する大番狂わせが起き、移り変わるコンディションの中で2度の赤旗が振られるトリッキーな展開となった。

パルクフェルメで健闘を称え合う予選2番手のランド・ノリス(マクラーレン)とポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年8月26日F1オランダGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

パルクフェルメで健闘を称え合う予選2番手のランド・ノリス(マクラーレン)とポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年8月26日F1オランダGP

9番手でQ2進出を果たした角田裕毅(アルファタウリ)は0.163秒届かず14番手と、僅差でQ3を逃した。骨折したダニエル・リカルドの代役、デビューを迎えたリアム・ローソンはチームメイトから1.639秒遅れの20番手タイムでクルマを降りた。

多重クラッシュと悪天候による視界不良を受け、直前のFIA-F2選手権レースは途中で中止を余儀なくされた。Q1は気温16℃、路面22℃のウェットコンディションで開始されるも、最終Q3はドライ決戦となった。

3番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)、4番手にはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、5番手はフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、6番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)と、トップ6は全て異なるチームが並んだ。フェルスタッペンを除けばリザルトは混沌としたものだった。

盤石と思われていた2024年契約が「100%確実でない」事が明らかとなったセルジオ・ペレスは、ポールのチームメイトに1.313秒及ばず7番手に留まった。

早い段階で最終ラップを終えたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)はチェッカーフラッグの時点で2番手につけていたものの、路面の改善に追い風を受けたライバルに交わされ8番手にまで後退した。

ローガン・サージェント(ウィリアムズ)はキャリア初のQ3を達成したが、ターン2でリアを失い大クラッシュを喫した事でQ3では10番手に終わった。

8分13秒でセッションが再開されると、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がターン9でアンダーステアに見舞われ、外側のバリアに衝突した。2回目の赤旗が振られ、時計の針は4分5秒で止められた。

左フロントが破損するなど、16号車SF-23は大きなダメージを負った。左リアも強打しているため、替えたばかりのギアボックスの状態が懸念される。既に年間の上限割り当て基数に達しているため、新品を開封すればグリッド降格ペナルティが科される。

予選Q1:アルボンがトップ通過

ウェットセッションの常だが、グリーンフラッグを前にピットレーンには行列が発生。エントリーした全20台で争われる18分間の予選第一ラウンドのQ1は、各車インターミディエイトを履いてコースインした。

温度が低く濡れた路面はヒヤリとする光景を生み出した。アルボンがターン11で、フェルスタッペンがターン1でグラベルに飛び出る等、開始早々に緊張が走った。

路面が改善していく中、チームは追加のインターミディエイトに履き替えるかどうかの選択を迫られた。レッドブル、メルセデス、アルピーヌはタイヤを交換せずに周回を続けた。

トップ通過はアルボン。フェルスタッペンを1000分の26秒差で抑えた。角田裕毅は9番手。0.042秒差の14番手で辛うじてQ2に駒を進めたルクレールは、トラフィック管理とタイヤのウォームアップを上手くやらない限りQ2で敗退するとチームに発破をかけた。

残り4分、ピットレーンから出た直後のサインツにヒアストリが接触しそうになる場面があった。これは、ハミルトンが最終コーナーでランス・ストロール(アストンマーチン)にブロックされたと不満を訴えた件と合わせてセッション後に調査が行われる。

予選Q2:大番狂わせ

降り注ぐ陽に巻き上げられる水しぶきが輝く中、徐々にドライラインが浮かび上がり、終盤に向けては急激にドライコンディションに近づいた。そのためQ2は最後まで順位が慌ただしく入れ替わる展開となった。

サージェントが10番手タイムを刻み、アルボンが3番手をマークしたことで、ウィリアムズが驚きのダブルQ3進出を果たした。ハミルトンは1000分の84秒及ばず13番手、角田裕毅は0.163秒届かず14番手で敗退を喫した。


トップ通過はフェルスタッペン。2番手ピアストリにコンマ5秒差をつけた。


2023年F1オランダGP決勝レースは日本時間8月27日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,307mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第14戦オランダGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:20.965 1:18.856 1:10.567 31
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:21.276 1:19.769 1:11.104 30
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:21.345 1:19.620 1:11.294 32
4 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:20.939 1:19.399 1:11.419 32
5 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:21.840 1:19.429 1:11.506 30
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:21.321 1:19.929 1:11.754 32
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:21.972 1:19.856 1:11.880 33
8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:21.231 1:19.392 1:11.938 31
9 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:22.019 1:19.600 1:12.665 27
10 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:22.036 1:20.067 1:16.748 27
11 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:21.570 1:20.121 22
12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:21.735 1:20.128 21
13 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:21.919 1:20.151 23
14 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:21.781 1:20.230 22
15 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:21.891 1:20.250 20
16 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:22.067 12
17 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:22.110 12
18 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:22.192 11
19 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:22.260 12
20 40 リアム・ローソン アルファタウリ・ホンダRBPT 1:23.420 12

コンディション

天気
気温16℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1オランダGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ザントフォールト・サーキット
設立 1948年
全長 4307m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オランダGP特集