トヨタ LEXUS LC、2018年ニュル24時間をSP-Proクラス1位で無事完走。トラブル多発も「何とか走りきった」
自身に新たな試練を課したトヨタGAZOOレーシングは、第46回ニュルブルクリンク24時間耐久レースにLEXUS LCを新投入、スタート直後の接触事故やパワートレーン・ブレーキ・タイヤ・電気系等のトラブルを乗り越え、SP-Proクラス1位で無事完走を果たした。総合96位。
無数にある参戦クラスの中でも、特別に承認されたモデルが走るのがこのSP-PROクラス。市販車開発はコストや法規などの理由によって、やりたいと思った技術にトライできない事も多い。トヨタは自社の乗用車へのフィードバックを狙い、将来の先行開発技術を投入したLCをSP-PROクラスにエントリーさせる事を選んだ。
ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、1周25km、高低差300m、約200のコーナーを持つコースを24時間走り続けるという過酷なレース。2007年から継続参戦しているトヨタは今年、凄腕技能養成部のメカニック達が開発したLEXUS LCをニュル耐久シリーズに持ち込み、本戦に向けての準備を進めてきた。
56号車(土屋武士/松井孝允/蒲生尚弥/中山雄一)は予選で8分34秒591を記録、総合32位から決勝に挑んだ。出走台数147台となった決勝レースは、現地12日(土)15時30分にスタート、松井孝允がスタートドライバーを担当した。序盤こそスッタモンダがあったものの、日が昇った日曜以降は大きなトラブルもなく順調に周回を重ねた。
「何度も予定外のピットインを強いられながら、何とか24時間を走り切りって完走できたことを感謝します」とGAZOO Racing Companyの友山茂樹社長。24時間ノンストップのレースを終え、感謝の言葉を口にした。
「ドライバー、メカニック、エンジニア、サポートスタッフがそれぞれの役割を果たし、最後の最後まであきらめずにクルマを走らせようと努力した結果だと思います。この活動を支えてくださったサプライヤー企業およびパートナー企業の皆さま、応援してくださった多くのファンの方々に心から感謝します」
濃霧による赤旗中断もあった46回大会で総合優勝を果たしたのは912号車のポルシェ911 GT3 R。チェッカーまで残り1時間に迫る23時間経過時に、トップを走行していた4号車メルセデスAMG GT3に対しホームストレートエンドでブレーキング勝負を仕掛けた。4号車はスピンを喫し順位が逆転。そのまま逃げ切り栄冠を手にした。
WRX STIをSP3Tクラスに投入したスバルは、2011年の初優勝以来5度目のクラス制覇を成し遂げた。