赤旗の劇的結末…ルクレールが2年連続母国ポール!角田裕毅は1歩及ばずも奮闘 / F1モナコGP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権7戦モナコGPの公式予選が5月28日にモンテカルロ市街地コースで行われ、地元の英雄シャルル・ルクレールが今季5回目、2年連続のポールポジションを獲得した。
ルクレールはQ3の1回目の計測で1分11秒376の暫定ポールにつけた。最終計測ではセルジオ・ペレス(レッドブル)がリアを失い、車体左後方からポルティエ(ターン8)のバリアに衝突。これに後続のカルロス・サインツ(フェラーリ)が追突して赤旗が振られた。
In the dying seconds Perez hits the barriers at Portier and Sainz can't avoid contact#MonacoGP #F1 pic.twitter.com/EpNO9CnhBl
— Formula 1 (@F1) May 28, 2022
残り時間が僅かであったためセッションは再開されず、上位勢に関しては1回目のオーダーがそのまま最終リザルトとなった。ペレスは「デルタを守らない連中がいた」と釈明した。
ルクレールの背後には0.225秒差で僚友サインツが続き、フェラーリが最前列を独占。ペレスは1000分の28秒差で3番手に留まった。ポイントリーダーのマックス・フェルスタッペンは3回のプラクティスのみならず、予選でもチームメイトに遅れを取る4番手に甘んじた。
アルファタウリ勢は、中団最上位を争う速さを見せていたピエール・ガスリーが不運にも、チームメイトのアクシデントを発端とする赤旗に翻弄され、17番手でQ1敗退を喫した。
角田裕毅がガードレールとの接触によってホイールの破損とパンクに見舞われた事を受け、Q1は残り2分25秒で赤旗が振られた。角田裕毅は再開後に9番手を刻んでQ2へと駒を進め、最終的に11番グリッドを獲得したものの、ガスリーは時間内にスタートラインに届かず計測に間に合わなかった。
角田裕毅は予選後、赤旗の原因となった事についてチームに謝罪した上で、Q3進出のポテンシャルが確実にあると感じながらもそれを活かせなかった事について再度、チームに謝罪した。
ミッドフィールド最上位にはマクラーレンのランド・ノリスが並んだ。チームメイトのダニエル・リカルドが14番手でQ2敗退を喫する中、ノリスは6番手につけたジョージ・ラッセル(メルセデス)に0.263秒という大きな差をつけて5番グリッドを獲得した。
予選になるとプラクティスで影を潜めていた大御所達が躍進した。
2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)はルイス・ハミルトン(メルセデス)を8番手に抑え込んで7番グリッドを持ち帰った。
4度のF1王者、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は9番手をマーク。エステバン・オコン(アルピーヌ)を10番手に従えた。
予選Q1:ガスリー、不運の敗退
薄暗い雲が上空一面を覆う中、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温25.9℃、路面47.5℃、湿度52%、気圧1004.2hPAのドライコンディションでスタートした。これは今週末の中で最も涼しい。
公式タイヤサプライヤーのピレリはC3~C5の最も柔らかいレンジのコンパウンドを持ち込んだ。
角田裕毅がヌーベルシケインでガードレールと接触。ホイールの破損とパンクに見舞われたため、残り2分25秒で赤旗が振られた。
Tsunoda clips the barrier on the entry to the Nouvelle Chicane and it triggers a red flag
The session will resume shortly with just under three minutes to go#MonacoGP #F1 pic.twitter.com/JWWiFPJkbb
— Formula 1 (@F1) May 28, 2022
最終アタックに向けてはピットレーン上に大渋滞が発生。FP3で中団最上位をマークしたガスリーはスタートラインにコンマ数秒間に合わず、17番手で敗退を喫した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:12.569 | 9 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:12.616 | + 0.047 | 9 |
3 | ラッセル | メルセデス | 1:12.787 | + 0.218 | 11 |
4 | オコン | アルピーヌ | 1:12.848 | + 0.279 | 11 |
5 | ノリス | マクラーレン | 1:12.927 | + 0.358 | 12 |
6 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:12.993 | + 0.424 | 9 |
7 | ペレス | レッドブル | 1:13.004 | + 0.435 | 9 |
8 | マグヌッセン | ハース | 1:13.069 | + 0.500 | 11 |
9 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:13.110 | + 0.541 | 10 |
10 | ベッテル | アストンマーチン | 1:13.313 | + 0.744 | 12 |
11 | リカルド | マクラーレン | 1:13.338 | + 0.769 | 12 |
12 | アロンソ | アルピーヌ | 1:13.394 | + 0.825 | 11 |
13 | ハミルトン | メルセデス | 1:13.444 | + 0.875 | 12 |
14 | シューマッハ | ハース | 1:13.469 | + 0.900 | 10 |
15 | ボッタス | アルファロメオ | 1:13.541 | + 0.972 | 9 |
16 | アルボン | ウィリアムズ | 1:13.611 | + 1.042 | 14 |
17 | ガスリー | アルファタウリ | 1:13.660 | + 1.091 | 10 |
18 | ストロール | アストンマーチン | 1:13.678 | + 1.109 | 11 |
19 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:14.403 | + 1.834 | 13 |
20 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:15.606 | + 3.037 | 9 |
予選Q2:ベッテル、角田裕毅を蹴落としてQ3へ
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、ノリスが5番手で突破を果たした一方、僚友リカルドはコンマ7秒落ちの14番手でノックアウトした。
ベッテルはノックアウト・ゾーンに沈んでいたものの、最終ラップで8番手タイムを叩き出し、角田裕毅を蹴落とした。角田裕毅と10番手アロンソとの差は0.109秒だった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:11.864 | 18 | |
2 | ペレス | レッドブル | 1:11.954 | + 0.090 | 18 |
3 | サインツ | フェラーリ | 1:12.074 | + 0.210 | 20 |
4 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:12.117 | + 0.253 | 18 |
5 | ノリス | マクラーレン | 1:12.266 | + 0.402 | 20 |
6 | オコン | アルピーヌ | 1:12.528 | + 0.664 | 17 |
7 | ハミルトン | メルセデス | 1:12.595 | + 0.731 | 22 |
8 | ベッテル | アストンマーチン | 1:12.613 | + 0.749 | 21 |
9 | ラッセル | メルセデス | 1:12.617 | + 0.753 | 20 |
10 | アロンソ | アルピーヌ | 1:12.688 | + 0.824 | 17 |
11 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:12.797 | + 0.933 | 20 |
12 | ボッタス | アルファロメオ | 1:12.909 | + 1.045 | 17 |
13 | マグヌッセン | ハース | 1:12.921 | + 1.057 | 20 |
14 | リカルド | マクラーレン | 1:12.964 | + 1.100 | 21 |
15 | シューマッハ | ハース | 1:13.081 | + 1.217 | 17 |
予選Q3:赤旗の幕切れ
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、1回目の計測を終えてルクレールが暫定ポールに立ち、これにコンマ2秒遅れでサインツ、ペレス、フェルスタッペンが連なった。
ルクレールは最終の計測ラップでもパープルを刻んでいたが、後ろを走るペレスの事故によってセッションは幕切れとなった。
2022年F1モナコグランプリ決勝レースは日本時間5月29日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周3340mのモンテカルロ市街地コースを78周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第7戦モナコGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:12.569 | 1:11.864 | 1:11.376 | 24 |
2 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:12.616 | 1:12.074 | 1:11.601 | 25 |
3 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:13.004 | 1:11.954 | 1:11.629 | 25 |
4 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:12.993 | 1:12.117 | 1:11.666 | 25 |
5 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:12.927 | 1:12.266 | 1:11.849 | 27 |
6 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:12.787 | 1:12.617 | 1:12.112 | 27 |
7 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:13.394 | 1:12.688 | 1:12.247 | 22 |
8 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:13.444 | 1:12.595 | 1:12.560 | 29 |
9 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:13.313 | 1:12.613 | 1:12.732 | 28 |
10 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:12.848 | 1:12.528 | 1:13.047 | 22 |
11 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:13.110 | 1:12.797 | 20 | |
12 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:13.541 | 1:12.909 | 17 | |
13 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:13.069 | 1:12.921 | 20 | |
14 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:13.338 | 1:12.964 | 21 | |
15 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:13.469 | 1:13.081 | 17 | |
16 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:13.611 | 14 | ||
17 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:13.660 | 10 | ||
18 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:13.678 | 11 | ||
19 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:14.403 | 13 | ||
20 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:15.606 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 25.9℃ |
路面温度 | 47.5℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1モナコGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | モンテカルロ市街地コース |
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設立 | 1929年 |
全長 | 3340m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |