F1モナコGP、2026年より6月開催に変更…2031年までの契約延長の一環で。インディ500との衝突解消へ
F1モナコGPが少なくとも2031年まで開催されることが2024年11月14日、発表された。F1とモナコ自動車クラブ(ACM)は、2025年末までの現行契約を6年延長することで合意した。
モナコGPは伝統的に5月末に開催されてきたが、新たな契約の一環として、2026年以降は6月の第一週に開催される。なお、2025年のモナコGPは来年5月23~25日に開催される。
この変更についてF1は、「あらゆる利害関係者にとって持続可能なカレンダーを目指す」というF1が掲げる方針の一環であると説明した。
F1は近年、各グランプリを地理的にグループ化することで、移動距離・時間や二酸化炭素排出量を削減する取り組みを進めている。
今回の合意についてF1のステファノ・ドメニカリCEOは、「F1とモナコのパートナーシップと革新の新時代を告げるものだ」とした上で、「モナコ大公アルベール2世殿下の未来を見据えたリーダーシップによって、物流の負担を軽減し、世界選手権の環境負荷を削減する最適なカレンダーが実現できることになった」と強調した。
6月開催への変更により、メモリアルデーの週末に開催されるインディ500との日程がバッティングすることはなくなる。現役F1ドライバーの500参戦が後押しされるかどうか注目される。
インディ500は、モナコGP、ル・マン24時間レースと並び「世界三大レース」の一つに数えられる伝統ある自動車レースで、その3つ全てを制したドライバーはグラハム・ヒルただ一人しか存在しない。
現役F1ドライバーとしてインディ500に参戦した最後の人物はフェルナンド・アロンソだ。
2度のF1王者は2017年、マクラーレンの許可を得てモナコGPを欠場し、アンドレッティからインディ500に参戦したが、エンジンブローによりリタイヤを余儀なくされた。
2019年に再び挑戦したが、予選落ちを喫したため決勝には出ることができず、3度目の挑戦となった2020年に21位でフィニッシュし、初の500完走を果たした。
F1が世界選手権化された1950年の初年度にカレンダーに加わったモナコGPは、パンデミックにより中止を余儀なくされた2020年を除いて1955年以降、毎年開催されており、その狭く過酷な市街地コースは、F1カレンダーでも特に難易度が高いサーキットとして名を馳せている。
一方で、近年では、マシンの大型化に伴いオーバーテイクが難しく単調なレースになりがちとの批判を浴び、また、スポンサー権や開催料の面で他のサーキットとの整合性を求めるF1との対立もあり、その将来が懸念されていたが、2022年の契約更新に続き今回、2031年までの開催が保証されることとなった。
F1が世界中で急成長を遂げる中、モナコGPの人気も依然高く、シャルル・ルクレールが史上初のモナコ人モナコGPウィナーとなった2024年の週末は、累計7000万人以上が視聴し、米国史上最も視聴されたモナコGPとなったほか、米国F1レース視聴率の歴代3位を記録した。