オコンではなくガスリーだったかも…アルピーヌ、今季F1初入賞の裏に「分割ギャンブル戦略」6戦目のマイアミで遂に待望1ポイント
アルピーヌに今季初ポイントをもたらしたのはエステバン・オコンだが、与えられた戦略が逆であれば主役もまた逆となり、ピエール・ガスリーがマイアミ10位入賞を果たしていたのかもしれない。
アルピーヌF1チームのブルーノ・ファミン代表はレースに先立ち「明確な計画」を立てていたと明かした。
「それは、1台のクルマについては早い段階でピットストップを行う事でアンダーカットを狙うというもので、もう1台のクルマに関してはバーチャル・セーフティーカー(VSC)やセーフティーカー(SC)、赤旗が出る事を期待してロングスティントを走るというギャンブルだった」とファミンは説明した。
「その結果、今回はエステバンが10位でポイントを獲得する事になった」
”早期ピット”戦略を与えられたのはガスリーだった。ガスリーは第1スティントでオコンに先行していたが、11番手を走行していた11周目にタイヤを交換。一方で”ギャンブル”戦略を命じられたオコンは22周目までスティントを引っ張った結果、ボラード回収のためのVSCに恵まれ、このピットストップによりガスリーを逆転した。
最終的にチームメイトから5秒遅れの12位でフィニッシュしたガスリーは、重要なのは誰がポイントを稼いだかではなく、シーズン6戦目にしてチームとして待望の初ポイントを獲得したことだと強調した。
「VSCのタイミングは僕には不利に働いたけど、そういうこともある。チームとしてシーズン最初のポイントを獲得できたことが何よりも重要であって、それが僕であろうとエステバンであろうと関係ないし、チームとして本当にハッピーだ」とガスリーは振り返った。
開幕数戦で最下位争いをしていた事を思えば、軽量化を含む最新のアップグレード・パッケージはエンストンのチームを着実に前進させたと言える。
「ここ数戦、徐々に差を縮めてきて、今日1ポイントを取った事でようやくチームの努力が報われ、シーズンのスタートを切れた気分だ」とオコンは語る。
「たった1ポイントだし、この結果は完全に満足できるものでもないけど、今シーズンの僕らにとって重要なポイントである事は間違いない」
「バーレーンで僕らは最後列にいたわけで、今日のこの場所に立つために信念を曲げずにモチベーションを持ち続け、クルマを改良し続けたエンストンとヴィリーの皆のおかげだ」
無論、ルノーのワークスチームがこの位置で終わる事は許されない。
「より上位のポジションを懸けて戦い続けるためには、さらなる努力を続けなければならない。次のヨーロッパラウンドに向けてハードワークを続けていくつもりだ」とファミンは付け加えた。
2024年F1第6戦マイアミGPでは、予選5番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)がデビュー6年目、キャリア110戦目にして念願の初優勝を飾った。F1史上114人目のウィナーの誕生だった。
イモラ・サーキットを舞台とする次戦エミリア・ロマーニャGPは5月17日のフリー走行1で幕を開ける。