サージェントと接触のマグヌッセン、出場停止まで2点に…さらに「前例」なき無交換違反で追加ペナルティ
2024年5月5日(日)のF1第6戦マイアミGPでのローガン・サージェント(ウィリアムズ)との接触の責任を問われた事で、ケビン・マグヌッセン(ハース)がレース出走禁止処分まであと2ポイントに迫った。
ルイス・ハミルトン(メルセデス)との攻防を通して正当な理由なく3度に渡ってコースオフした事で、前日のスプリントで3点を加算されたマグヌッセンは、決勝のブラックアウトを前にペナルティポイントの累積が8点に達していた。
57周で行われたレースの28周目、サージャントと18位争いを繰り広げていたマグヌッセンは、イン側からアプローチしたターン2・3でウィリアムズの右リアを引っ掛けた。
スピンを喫したサージェントはそのままアウト側のバリアに衝突。リタイヤを余儀なくされた。マグヌッセンは生き延びてレースを続行。2点のペナルティポイントと10秒ペナルティを受け、18位でクルマを降りた。
ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団はFIAのドライビング基準ガイドラインを引き合いに出し、ターン2・3に向けてマグヌッセンがコーナーの権利を得るには、ターン2のエイペックスにおいて、フロントアクスルが少なくともサージェントのそれと並んでいる必要があったと指摘した。
その上でスチュワードは、実際にそうなっていなかった事は「明白」であり、インシデントの「全面的な責任」はマグヌッセンにあると結論付けた。
ただ、マグヌッセンの悪夢はこれだけでは終わらなかった。
サージェントとのクラッシュによりセーフティーカー(SC)が導入された際、ピットレーンに入りながらもタイヤ交換を行わなかったためにレース後に召喚され、ドライブスルー・ペナルティー(20秒加算)が科せられたのだ。
F1競技規定第55条11項は、ピットレーンを走行するよう命じられた場合を除き、タイヤ交換のためでない限りはSC導入中にピットに進入してはならないとしている。
ハースはチーム側のミスであると認めた。この違反については前例がなく、スチュワードは第55条11項にて定められた他のルールとの整合性を保つためにドライブスルー・ペナルティーを科す決定を下した。
これにより20秒加算されたマグヌッセンは、最終順位でアレックス・アルボン(ウィリアムズ)の下に回る事となり、完走19台中19位の最下位に降格となった。
レース後のインタビューに答えるマグヌッセンは当然に言葉少なげで、意気消沈とした様子を見せた。
「良い1日じゃなかった…今日もね。今後に向けてある程度、明確にしておければと思ってる」とマグヌッセンは振り返る。
「今日の出来事に関しては、、もちろん、良くなかった。ただ…それでも前に進み続けなきゃならないし、次は、、もっと良い週末を過ごせるよう頑張るよ」
2024年F1第6戦マイアミGPでは、予選5番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)がデビュー6年目、キャリア110戦目にして念願の初優勝を飾った。F1史上114人目のウィナーの誕生だった。
イモラ・サーキットを舞台とする次戦エミリア・ロマーニャGPは5月17日のフリー走行1で幕を開ける。