フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1メキシコGP公式予選で1分16秒833のポールタイムを記録し、逆転タイトルへの僅かな望みを繋いだ。今シーズン4回目キャリア通算50回目のポールをコースレコード更新で彩った。同僚キミ・ライコネンが0.75秒遅れの5番手だった事を考えれば、ベッテルのポールは執念の賜物と言えよう。

フロントロウに並んだのはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。Q2でトップタイムを記録し初のポール・ポジションが期待されたが、Q3ではタイヤの熱入れに失敗し100分の9秒差で念願のポールを逃した。予選ファイナルラウンドでのバルテリ・ボッタスへの走行妨害行為が審議対象となったが、スチュワードはお咎めなしの採決を下した。

3番手につけたのはメルセデスのルイス・ハミルトン、ベッテルからは0.446秒遅れた。「他の皆が良い仕事をしただけさ。僕としては全力で挑んだよ。最後のアタックではコンマ数秒失ったかもしれないけどね」とハミルトン。手を抜いたわけではなく真っ向勝負で負けた事を認めた。ハミルトンは、決勝を5位以上のポジションで終えればタイトルが決する。

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フェルスタッペンがポールに接近し2番グリッドを得た一方で、ダニエル・リカルドは7番手と奮わず、フォース・インディアのエステバン・オコンにすら敗れ去った。リカルドとフェルスタッペンとのギャップは0.873秒とかなりの差が開いた。フェルスタッペンとは異なりリカルドが使うは旧仕様の古いエンジン、だがそれを加味したとしても不可解なほどの大差であった。

マクラーレン・ホンダ勢は2台とも予選Q1を突破するも、Q2では走行せずにセッションを終えた。両マシンは決勝でのグリッド降格が決定しており、Q1でタイムを残しさえすれば良く、Q2を戦う理由が存在しなかった。ネガティブな理由でのQ2敗退となったが、フェルナンド・アロンソはQ1で5番手タイムを記録、最速ハミルトンとの差は0.192秒と驚異的な速さを見せた。

トロ・ロッソ勢にとっては悪夢のような予選セッションとなった。米国GPを挟んで意気揚々とカムバックしたピエール・ガスリーは、エンジン交換が間に合わず予選を走行することが出来なかった。ガスリーはFP3でパワーユニットのトラブルに見舞われていた。自身2度目のF1予選に挑んだブレンドン・ハートレーはQ1を突破したものの、Q2走行中に白煙を吐き出しガスリーと同じような症状に見舞われ走行を諦めた。

同じルノー製パワーユニットを積む他のマシンに問題が発生していない事を考慮すると、トロ・ロッソのマシンは冷却に厳しい可能性がある。ガスリーのトラブルはターボチャージャーのオーバーヒートによって生じたと考えられている。

一年落ちの旧型フェラーリエンジンを搭載するザウバー勢は、今季型の同エンジンを積むハース勢を上回る大健闘をみせた。母国レースを終えたハース勢にとっては屈辱的な予選結果となった。ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンのタイムは、ポールのベッテルから3秒も遅れ別次元のペースであった。

2017年F1メキシコGPの決勝レースは、日本時間10月30日(月)深夜4時から行われる。

2017年F1第18戦メキシコGP予選リザルト

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