中村聡
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ホンダF1 中村聡、アロンソとバンドーンのエンジン交換経緯を説明「あくまでも予防措置」F1メキシコGP《初日》

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F1メキシコGP金曜初日を終えて、ホンダF1のチーフエンジニアを務める中村聡は、一連のパワーユニット交換の経緯について説明した。フェルナンド・アロンソは前戦アメリカGPをMGU-Hのトラブルでリタイヤしており、メキシコでのレースに先立ってパワーユニット一式を交換した。

ストフェル・バンドーンはアメリカGPを完走したものの、パワーエフェクトが小さい翌ブラジルと最終アブダビでのリスクヘッジのために、苦手意識のあるメキシコで予めグリッド降格を消化すべくエンジン交換を実施した。だが、交換したばかりの最新版エンジンにFP1でトラブルが発生、8月のベルギーGPで使用した旧型エンジンへの載せ替えを強いられた。

中村によれば、バンドーンの予期せぬ交換はあくまでも予防措置であり、大きな問題はなくパワーユニットそのものにダメージはない事が確認されたという。マクラーレン・ホンダ勢はフェルナンド・アロンソがFP2で7番手につけ誰もが予想だにしない好スタートを切った。それだけに、グリッド降格ペナルティによるハンデが悔やまれる。

バンドーンのエンジンにダメージはない

中村 聡ホンダF1 チーフエンジニア

今日は両ドライバーが新しいパワーユニットでセッションに臨みました。先週のアメリカGPでMGU-Hに問題が発生したため、我々はフェルナンドのパワーユニットを交換することにしました。また、ブラジルとアブダビの最後の2レースでの信頼性を確実なものとするために、戦略的な観点からストフェルのパワーユニットも変更しています。

今日の2回のフリー走行で、フェルナンドはスケジュールに従ってプログラムを完了しました。メキシコシティは標高2,200mに位置しており空気が薄い事で知られています。このような状況下でパワーユニットの出力を引き出す事は難しいため、メキシコGPは厳しいチャレンジになる事を覚悟していました。ですが、フェルナンドが今日見せてくれたパフォーマンスは、競争力という点で励みになるものでした。

FP1の序盤に潜在的な問題がデータ上で発見されたため、予防策としてストフェルのパワーユニットを交換することにしました。セッション時間の大半を失ってしまいフラストレーションが溜まりましたが、問題は極めて軽微でありPUにダメージはありませんでした。結果的に、ストフェルはFP2で32周を走破し計画していたプログラムを挽回することができました。

両方のマシンが日曜のレースをグリッド後方からスタートしなくてはならないのは残念ですが、レースで何が起こるか分かりません。明日のセッションでは、引き続きロングランのための準備に焦点を当てていきます。

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