
ホーナー、F1復帰へ「唯一の例外はフェラーリ」 “眠れる巨人”への想い。宿敵ウォルフへの挑発
元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは、チームの株式を保有せずにF1に復帰する場合、検討する可能性がある唯一のチームは「夢」の存在であるフェラーリだと語った。復帰にあたってはチームの所有権を望んでいるものの、スクーデリアだけは例外だという。
ホーナーは2025年7月のイギリスGP後、レッドブルのチーム代表兼最高経営責任者(CEO)の職を解かれた。現在は、ライバルチームで働くことを制限されていたガーデニング休暇を終え、F1復帰の道を模索している。
所有権なしならフェラーリが唯一の選択肢
Courtesy Of Red Bull Content Pool
モンテカルロ市街地コースのグリッド上で話をするフェラーリのジョン・エルカーン会長とレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2024年5月26日(日) F1モナコGP
イギリスの日刊紙『The Times』のインタビューで、ホーナーは長年チームを率いてきた経験を踏まえ、復帰に向けた考えをこう説明した。
「私は21年間にわたってピットウォールに座り、雇われの立場としてやってきた。だから、同じ立場に戻る必要はない」
「人生のこの段階で、所有権に関わらずに働くことを受け入れられるチームは一つしかない」
その例外がフェラーリだという。ホーナーは、イタリア・マラネッロを拠点とする伝説的なチームへの加入を検討するかとの問いに対してこう答えた。
「フェラーリを考えるか? フェラーリはF1で最大のブランドだ。夢だよ。そして、F1の眠れる巨人と言ってもいいだろう」
ホーナーはF1史上最も成功したチーム代表の一人として知られる。
レッドブルでは、セバスチャン・ベッテルがドライバーズタイトルを獲得した2010年から2013年に両選手権4連覇を達成。マックス・フェルスタッペンも2021年から2024年に4連覇を果たし、チームは2022年と2023年のコンストラクターズタイトルを手にした。
フェラーリで現在チーム代表を務めるフレデリック・バスールは、2025年7月に複数年の契約延長を結んでおり、近々にチームを去る可能性はないが、2008年以来続いているフェラーリの無冠時代を終わらせることはできていない。
F1復帰へ意欲「トトの髪をかき乱す」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーとメルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフ、2019年10月25日にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われたF1メキシコGPのFIA記者会見にて
ホーナーは経済的に復帰を急ぐ必要がなく、仕事を選べる立場にあると語る。一方で、競争を離れた今の暮らしには満足していないという。
「私はとても恵まれた立場にいて、選り好みができる。何もしなくても、残りの人生をここで暮らして、雨が降って芝生が青くなるかどうかだけを気にしていればいい」
「でも、それで満たされるだろうか? いや、そうは思わない。まだもうひと勝負できると感じている。それに、トト(ウォルフ)の髪を思いっきりかき乱してやらなきゃならない」
メルセデスのチーム代表トト・ウォルフとは、長年タイトルを争うなかで激しく対立してきた。特に2021年は、フェルスタッペンとルイス・ハミルトンによるタイトル争いが最終戦までもつれ、両代表も応酬を繰り広げた。
ホーナーは、自分がいない間のウォルフは楽をしていると挑発した。
「私がいないから、彼は楽をしている。彼が私に戻ってきてほしいと思う理由はあるだろうか? 私はおそらく誰よりも彼を手こずらせることになるだろう」
自身への関心が続いていることにも手応えを感じている。
「F1を離れて14カ月が経っているのに、いまだに私のことが話題になっている。それは、まだ需要があるということだと思う。もしかすると、私はそれほど嫌われていなかったのかもしれないね」
来年までにF1グリッドへ戻る可能性はあるかと尋ねられると、ホーナーはこう答えた。
「分からない。私は解決策でもあり、問題でもある」