
ハミルトン「重大」な妨害で処分も、ローソンはF1規則を問題視。接触寸前で“即日対応”を要請
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)との接触を間一髪で回避したリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は、インシデントの原因はF1レギュレーションにあると指摘した。電力の使用状況によって著しい速度差が発生する現状を問題視し、翌日のセッションまでに対応策を検討するよう訴えた。
2026年F1第15戦アゼルバイジャンGPのフリー走行2回目(FP2)でローソンは、アタック中にアウトラップを走るハミルトンに急接近。見通しが悪い全開区間のターン18からターン19にかけてのセクションで進路を阻まれた。スチュワードは「重大」な走行妨害があったとして、ハミルトンに戒告処分を科した。
全開でも生じる80km/hの速度差
バクー市街地コースでは、実質的な最終コーナーにあたるターン16の立ち上がりから電力を使って加速し、その先の全開区間を駆け抜けることになる。一方、アタックしていないマシンは電力を使わないため、両車の速度に大きな差が生まれる。
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バクー市街地コース(F1アゼルバイジャンGP)のコースレイアウト図、2026年
「残念だけど、今の規則だとこういう状況になってしまう。近づいていく側にとってはかなり危ないし、正直、どちらの立場でもそうだと思う」とローソンは語った。
「ルイス(ハミルトン)はターン16を立ち上がった後、アクセルを全開にしている。僕との間には2〜3秒あって、普通なら十分な間隔なんだけど、速度差があまりにも大きい」
「彼はエネルギーを全く使っていない。一方で僕はフルに使っているから、速度差が60、70、80km/hになる。それはまずい」
ハミルトン、指示を守らず今季2度目の戒告
レースディレクターを務めるルイ・マルケスは今週末に向けて異例の通達を出していた。これは、今回問題となったターン16以降で後続車両を妨げないための指針であり、以下のように記されていた。
「アウトラップ中または低速周回中のマシンは、ターン16の出口からターン18の入口までの区間にわたりコースの最も左側を走行しなければならない」
さらに、ターン19の出口以降は、次の計測ラップを始めるための速度に達するまでコースの最も右側を走行するよう指示されていた。
ハミルトンはローソンの接近を2度にわたってチームから警告されていたものの、ターン16からターン18の区間でコースの左端を走行せず、ターン19に向かう際もレーシングラインにとどまった。
そのため、ローソンはアクセルを戻し、軽くブレーキを踏む必要があった。デレク・ワーウィックを含む5名のスチュワードは、ハミルトンがレースディレクターの指示に従わず、「不必要にローソンの走行を妨害した」と判断した。
フリー走行中の走行妨害は、危険性や故意がなければ通常は警告となる。今回は故意性こそ認められなかったが、バクー特有のコースレイアウトや、当該区間が高速コーナーであったこと、そして事前にレースディレクターから具体的な指示が出されていたことを踏まえ、スチュワードは今回の妨害について「重大なものだった」と指摘した。
一方でスチュワードは、ターン16からターン19、そしてラップ終盤にかけてのエネルギーマネジメントが難しいことを考慮のうえ、ハミルトンに対して今季2回目となる戒告処分(ドライビング)を科す決定を下した。
ローソン提言「譲るのはターン16以前で」
今年3月の日本GPでは、オリバー・ベアマン(ハース)がフランコ・コラピント(アルピーヌ)に急接近し、高速クラッシュを喫するインシデントが発生した。
これを受けF1と国際自動車連盟(FIA)は、著しい速度差による事故のリスクを減らすためにパワーユニット(PU)規則を変更した。
それでもバクーでは再び似通った状況が発生した。ローソンは電力の使用状況の差が生み出す危険性を訴え、翌日までの対応を求めた。
「今夜、検討すべきことだと思う。何かできるとしたら、正直、ターン16より前でやるしかないと思う。あのコーナーを立ち上がって走り出してしまったら、正直できることは何もない。だから、今回の件は単に不運だったと思う」
2026年F1アゼルバイジャンGPの初日FP2をトップで締め括ったのはジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手にチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリ、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
FP3は日本時間9月25日(土)17時30分から、公式予選は同21時から1時間に渡ってバクー市街地コースで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。