
元F1チーム代表クリスチャン・ホーナー、初回顧録『Drive』刊行へ。レッドブル20年の舞台裏を綴る
レッドブル・レーシングの元チーム代表クリスチャン・ホーナーが、自身のキャリアを振り返る回顧録を刊行する。20年にわたってチームを率いた末に昨年解任されたホーナーにとっては、これが初の著書となる。
『Drive』と題されたこの回顧録は、出版社トランスワールドから10月22日(木)に英国および英連邦諸国で発売される。オーディオブック版の朗読は、ホーナー本人が務める。
1ポンドで得たチームを頂点へ導いた20年
Courtesy Of Red Bull Content Pool
スプリントでのチャンピオン獲得後に写真を撮るレッドブルのマックス・フェルスタッペンとクリスチャン・ホーナー、2023年10月7日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
ホーナーがレッドブル・レーシングの指揮を執ったのは、エナジードリンクの大手メーカーが2004年末にジャガーからF1チームを買収し、2005年シーズンに臨むタイミングだった。当時、史上最年少という若さでF1チーム代表に就任したホーナーは、その後の20年でチームを一変させた。
この回顧録についてトランスワールドは、「F1が経験した最もドラマチックな時代の一つに、前例のないアクセスと独自の視点をもたらす」ものだと説明する。紹介文によれば、1ポンドで買収された旧ジャガーチームが、いかにして世界で最も価値があり、最も知られるスポーツチームの一つとして地位を確立したのか、その舞台裏を伝えるものだという。
実際、20年に及ぶホーナー統治下のレッドブル・レーシングは、輝かしい実績で彩られている。
レッドブルは通算130勝のうち124勝をホーナーの指揮下で挙げ、8度のドライバーズ選手権と6度のコンストラクターズ選手権を獲得。2010年代初頭のセバスチャン・ベッテル、そして近年のマックス・フェルスタッペンと、2つの黄金期を築いた。
ホーナーは声明を通して、この著書に込めた思いをこう語った。
「F1は、突き詰めれば人のビジネスだ。このスポーツはしばしばマシンや勝利、選手権によって語られるが、私の心に最も残っているのは、人々であり、数々の決断であり、挑戦であり、道中で出会った並外れた顔ぶれだ。この本は、信じがたい20年の旅と、それを形づくってくれた多くの人々についての、私の回想だ」
日本語版の出版が期待されるところだ。
解任劇から1年、アストンなどへ復帰の噂も
Courtesy Of Red Bull Content Pool
チーム代表記者会見に出席したクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)、フラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌF1エグゼクティブアドバイザー)、マリオ・イゾラ(ピレリF1ディレクター)、2025年5月30日(金) F1スペインGPフリー走行(バルセロナ・カタロニア・サーキット)
ホーナーがその座を追われたのは、ちょうど1年前のことだった。レッドブル・レーシング全体が不振にあえぐなか、昨年のイギリスGPを最後にチーム代表兼CEOの座を解任された。チームから本人に公式な理由は伝えられなかった。
解任に先立つ2024年、ホーナーは女性従業員からセクハラを含む不適切な行為の申し立てを受け、レッドブルの内部調査の対象となった。勅選弁護士が監督したこの調査の結果、申し立ては2度にわたって退けられた。ホーナーは一貫して疑惑を否定していた。
解任後、ホーナーはレッドブルと契約の残り期間を解消する条件で合意し、昨年9月に和解が成立した。これにより、この春以降はF1パドックへの復帰を追求できる立場となっていた。後任のチーム代表兼CEOには、ローラン・メキーズが就いている。
ホーナーをめぐっては、今年に入って複数の復帰ルートが取り沙汰されてきた。そのひとつが、投資家としてのアルピーヌへの参画だ。
ホーナーは、オトロ・キャピタルが保有する24%の株式を通じたアルピーヌへの投資について、あるコンソーシアムと交渉していたことが知られている。この株式にはメルセデスも関心を示していたが、その交渉は破談となった。
もうひとつ、ホーナーの名が繰り返し結びつけられてきたのが、アストンマーティンだ。さらに今年5月には、中国のEV大手BYDの副社長ステラ・リー氏と複数回にわたる会談を重ねたとされる。BYDは、将来的なF1参入への関心を公に認めている。
なお、ホーナーは今週末のイギリスGPに、レッドブル・レーシング離脱後初めてゲストとしてF1パドックに姿を見せると広く報じられている。