ヘルメットを着用しグローブを手にピットエリアを歩くリタイア後のジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年10月4日(日) F1バーレーンGP決勝(セパン・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

表彰台目前リタイヤのラッセルに追い打ち、“最も避けたかったシンガポール”でグリッド後方スタートか

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ジョージ・ラッセル(メルセデス)が、2026年F1第17戦シンガポールGPで「グリッド後方からスタート」する見通しとなった。アメリカのスポーツ専門局『ESPN』が複数の関係者の話として報じた。

マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催された前戦バーレーンGPでのトラブルにより、新たなパワーユニット(PU)コンポーネントの投入が必要となり、グリッド降格ペナルティを受ける見込みだという。

相次ぐトラブル、PU-ANC以外が上限に

ラッセルはバーレーンGPで、残り6周の時点で3番手を走行していたものの、メインストレート上で停止。表彰台を目前にリタイヤを余儀なくされた。

ドライバーズ選手権をリードするチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとの得点差は84ポイントに拡大。ラッセルは「もちろん、可能性が極めて低いのは確かだ」と語り、タイトル争いの望みがほとんど潰えたことに失望をにじませた。

追い打ちをかけるように、オーバーテイクが極めて難しいマリーナベイ市街地コースでは、後方からの挽回を強いられることになりそうだ。

メルセデス製PUは今季、高い競争力を発揮する一方、シーズン序盤から信頼性のトラブルが相次いでいる。

ラッセルの63号車W17は既に、PU補助コンポーネント(PU-ANC)を除く全てのコンポーネントが年間の割り当て上限に達しており、メルセデスはグリッド降格を消化するグランプリについて検討を進めていた。

難攻不落のマリーナベイ、極限の挽回劇へ

だが、その候補地にシンガポールが含まれていなかったであろうことは疑いない。

舞台となるマリーナベイ市街地コースは、2023年のレイアウト変更で旧ターン16~19がストレートとなり、以前よりオーバーテイクの機会は増加した。

だが、短いストレートとタイトな90度コーナーが続くレイアウトは追い抜きどころが少なく、実際、コース改修後にポールポジション以外の位置から優勝した者はいない。終盤7戦の中で、マリーナベイ以上にグリッド降格を避けたい舞台はないと言える。

メルセデスは、追加開発・アップグレード機会制度(ADUO)を利用した新型PUを年内に投入する計画を立てていた。だが、その改良版をシンガポールGPに前倒し投入できるかどうかは不透明だ。

ラッセルにわずかな希望があるとすれば、昨年の実績だ。

メルセデスは2025年のシンガポールGPで週末を通して圧倒し、ラッセルはポール・トゥ・ウインを飾っている。それでも今回、その再現に近づけるためには、キャリア屈指のパフォーマンスを発揮しなければならないことは確かだろう。