不安を覚えるアイザック・ハジャー、角田裕毅のマシンを借りメキシコでF1初走行
無論、誰もが一抹の不安を抱えるのだろうが、F1グランプリウィーク・デビューに向けてそれを公にする例はあまりない。だが、これまで一度もF1でテストを行った事がない19歳のフランス人ドライバーは、それをハッキリと口にした。
今年FIA-F2選手権デビューを果たしたレッドブル・ジュニアのアイザック・ハジャーは、現地27日のF1第20戦メキシコGPのオープニング・セッションで角田裕毅の22号車AT04をドライブする。
週末に向けてハジャーは「FP1でドライブできる事になって本当に嬉しいけど、同時に、F1マシンをドライブした事がないから少し不安だ。F1初走行がグランプリの公式プラクティスというのは、かなり大変だしね」と心の内を明かした。
「チームは僕に何の目標も課していないから、変にプレッシャーを感じてはいないけど」
ダニエル・リカルドの骨折に伴いリアム・ローソンが代役に抜擢された事で、ここ1ヶ月近くに渡ってハジャーは、シミュレーターに多くの時間を費やしてきた。
「出来る限りの準備は整える事ができたと思う」とハジャーは語る。
「ダニエルが負傷してリアムが代役になった後、シミュレーターを使ってレースドライバーの準備のサポートに取り組んできた。だからコックピットでの操作に関しては分かってる」
「それに、チームの事を知るためにファエンツァで時間を費やしてきたし、FP1で一緒に仕事をするエンジニアもシミュレーションで一緒だったから、既にお互いの事を知っている」
初走行がエルマノス・ロドリゲス・サーキットというのは新人にとって少し酷ではある。海抜0m地点と比較して22%も空気が薄いため、最大レベルのダウンフォース・パッケージを持ち込んでなお、ブレーキングやコーナリング時のマシンは非常に不安定だ。
それでもハジャーにとっては、幼少の頃からの夢に向けた大きな一歩だ。
「メキシコは、標高が高いから通常より少ないダウンフォースでドライブしなきゃならないという珍しいコースだけど、クルマに乗ってチームのためにベストを尽くすのが待ち切れない」とハジャーは語る。
「幼い頃にカートを始めて以来、F1に参戦する事を夢見てきた。この素晴らしいチャンスを与えてくれたスクーデリア・アルファタウリとレッドブルに感謝したい」
ハジャーとしては角田裕毅のマシンを壊さず持ち帰り、できるだけ多くの周回を重ねる事が目標となるだろう。
メキシコGPの舞台となるのは標高約2285mの高地に位置する1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットだ。2022年F1メキシコGPはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシーズン14勝目を飾って年間最多勝利記録を更新した。
F1メキシコGPは日本時間10月27日(金)27時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。