マドリード、F1開催のために驚くべき開催権料を提示…誘致目指す大阪も同額以上必至か
2026年からの10年間に渡ってF1スペインGPを開催するためにマドリードは、ホスティング料(開催権料)として合計800億円近い金額をF1側に支払うことになるようだ。
スペイン・カタルーニャの公共放送局番組「TV3」が契約交渉に詳しい筋から得た情報によると、主催者のIFEMAは年間4,800万ユーロ、日本円にして約76億8,500万円を提示した。
マドリード=バラハス空港から5分のロケーションに建設されるIFEMAマドリード・サーキットでのF1スペインGPの開催は2026年から2035年までの10年間契約だ。つまり総支払額は48万ユーロ、約768億円という驚くべき額となる。
マドリードが支払う4,800万ユーロは、現在のF1スペインGPの舞台であるバルセロナの推定ホスティング料、2,600万ユーロのほぼ2倍に相当する。バルセロナは昨年12月以降、現行契約が切れる2026年後の契約更新に向けて交渉に臨んでいる。
グローバルで見た場合、例えば推定年5,500万ユーロ(約88億円)のサウジアラビアやカタール、同5,700万ユーロ(約91億円)のアゼルバイジャンなど、マドリードを上回る金額を払っている開催地は存在する。
しかしながらヨーロッパ域内に限った場合、マドリードの提示金額はハンガリー(4,000万ユーロ)を超える欧州最高額と見られる。
マドリードの半額とは言え、バルセロナはそれでも採算が採れておらず、公的資金に頼らなければならない状態だとされる。
マドリードの主催者は開催費用の全てを民間資本でまかなうとしているが、2008年から2012年にかけて行われたバレンシアでのグランプリが多額の損失を計上した経緯から地元メディアは懐疑的だ。
バルセロナのカタロニア・サーキットを含め、イタリアのモンツァやイギリスのシルバーストン、ベルギーのスパ・フランコルシャン、日本の鈴鹿など、長年に渡ってグランプリを開催してきた伝統ある開催地は、ホスティング料の面で特別な配慮がなされていると考えられており、F1への年間の支払い額はいずれも2,000万ユーロ台と見積もられている。
その一方で、今後新たに開催を目指す新しい開催地が5,000万ユーロ未満で契約を結ぶのは難しいと見られており、誘致を目指す大阪は少なくともマドリードと同額以上を提示する必要があると言えそうだ。
世界的なF1人気の高まりを背景に、新たにカレンダー入りを望む開催候補地は増え続けている。そのためホスティング料は年々上昇しており、10年を超える超長期契約も珍しいものではなくなってきている。