第66回F3マカオGP決勝レースの様子
Courtesy Of FIA FORMULA 3 series media service

F3マカオGP 決勝:伏兵フェルシュホールがPPビップス破り逆転初優勝、角田裕毅は11位

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2019年 第66回マカオGP FIA-F3ワールドカップの予選レースが、11月16日(土)に中華人民共和国マカオ特別行政区の公道ギアサーキットで行われ、オランダ出身の18歳リチャード・フェルシュホール(MPモータースポーツ)が4番グリッドからの逆転優勝を飾った。

フェルシュホールがF3マカオGPに参戦するのは今回が初で、初参戦にして初優勝を飾ったのは、2008年の国本京佑以来初めて。2017年に僅か一年足らずでレッドブルのジュニアプログラムから解雇されたF4スペイン選手権王者が、シンデレラボーイとなった。

MPモータースポーツのリチャード・フェルシュホール
MPモータースポーツのリチャード・フェルシュホール

前日の予選レースを制し、ポールポジションがレースに臨んだレッドブル育成傘下のユーリ・ビップス(ハイテックGP)は、見事ホールショットを奪って順調にラップをリードしていたものの、残り8周からのセーフティーカー・リスタートの際に、フェルシュホールに交わされ後退。2位に甘んじた。ビップスは敗因について「途中でDRSが作動せず、タイヤに大きなフラットスポットを作ってしまった」と語った。

3位表彰台にはローガン・サージェント(カーリン)が滑り込んだ。日本の角田裕毅(ハイテックGP)は16番グリッドからスタートし、他車の脱落の助けとオーバーテイクによって11位でフィニッシュした。

15周で行われたレースのオープニングラップでは、2番手スタートのロバート・シュワルツマン(プレマ・セオドール)と3番手のクリスチャン・ルーンガード(ART)が軽く接触。これをフェルシュホールが抜き去った。シュワルツマンはフロントウイングが破損しタイヤがパンク。戦線を離脱した。

残り12周のところでは、単独で2台が立て続けにクラッシュし、例年通りの波乱の展開に。レオナルド・プルチーニ(カンポス)がリスボアの壁に刺さり、山側エリアではフェルディナンド・ハプスブルグ(ART)がガードレールに激突して激しい火花を上げた。

車両回収のためにセーフティーカーが導入され、このタイミングでオリバー・カルドウェル(トライデント)がピットへと入りリタイア。角田は12番手にまで浮上した。

レースは残り8周でリスタートを迎え、2番手を走行していたフェルシュホールが、先頭を走っていたビップスをオーバーテイク。ラップリーダーへと躍り出た。翌周には昨年の大事故から復帰参戦したソフィア・フローシュ(HWA)がロングストレート上でマシンストップ。その翌周に、マシン回収のためにバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された。

前日の予選レースでクラッシュに巻き込まれ、最後方からのスタートとなった前マカオGP王者のダン・ティクタム(カーリン)は13位にまでカムバック。元F1ドライバーのラルフ・シューマッハの実子デイビッド(チャロウズ)は21位という結果となった。

第66回マカオGP決勝レース前セレモニーでのドライバーたちの様子
© 決勝レース前セレモニーの様子

第66回マカオGP F3決勝レース結果

Pos. Driver Time
1 リチャード・フェルシュホール
MP Motorsport
38:10.330s
2 ユリー・ビップス
Hitech Grand Prix
+0.792s
3 ローガン・サージェント
Carlin Buzz Racing
+1.540s
4 クリスチャン・ルンゴー
ART Grand Prix
+2.241s
5 アレッシオ・ロランディ
Trident Motorsport
+5.020s
6 カラム・アイロット
Sauber Junior Team by Charouz
+5.922s
7 リアム・ローソン
MP Motorsport
+8.594s
8 マーカス・アームストロング
SJM Prema Theodore Racing
+9.356s
9 デイビット・ベックマン
Trident Motorsport
+13.239s
10 フレデリック・ベスティ
SJM Prema Theodore Racing
+13.633s
11 角田 裕毅
Hitech Grand Prix
+15.717s
12 キーバン・アンドレス
HWA RACELAB
+18.665s
13 ダン・ティクタム
Carlin Buzz Racing
+19.230s
14 ルーカス・ダナー
MP Motorsport
+20.498s
15 セバスチャン・フェルナンデス
ART Grand Prix
+21.705s
16 エンツォ・フィッティパルディ
Sauber Junior Team by Charouz
+26.174s
17 ジェイク・ヒューズ
HWA RACELAB
+26.294s
18 マックス・フュートレル
Hitech Grand Prix
+28.690s
19 レオン・ホン-チオ
Jenzer Motorsport
+33.792s
20 アンドレアス・エスナ
Jenzer Motorsport
+34.400s
21 ダービッド・シューマッハ
Sauber Junior Team by Charouz
+35.894s
22 エナーム・アフメド
Campos Racing
+36.521s
23 アルジュン・マイニ
Jenzer Motorsport
+37.184s
24 フェリペ・ドラゴヴィッチ
Carlin Buzz Racing
+37.621s
25 アレッシオ・デレッダ
Campos Racing
+53.135s
Ret ソフィア・フローシュ
HWA RACELAB
Ret フェルディナント・ハプスブルク
ART Grand Prix
Ret レオナルド・プルチーニ
Campos Racing
Ret オッリ・カルドウェル
Trident Motorsport
Ret ロバート・シュワルツマン
SJM Prema Theodore Racing