
リンブラッドを襲った悪夢、コラピント快走で「なおさら悔しい」好機逸したカナダDNSの顛末
アーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)は、2026年F1第5戦カナダGPで、グリッドに並びながらもスタートの瞬間を迎えることができなかった。フォーメーションラップの開始時に突然発生したクラッチのトラブルが原因だった。クルマは発進せず、無念のDNSに終わった。
週末を通して好調を維持し、チームが持ち込んだアップデートの成果を感じていたリンブラッドにとって、このリタイアは受け入れがたい悲劇となった。
チーム代表のアラン・パーメインも、リンブラッドが週末を通して見せていた印象的なペースに言及し、「絶好の機会を逃した」と落胆を隠さなかった。
クラッチトラブルで発進できず
異変が起きたのは、各車がフォーメーションラップに向かおうとした、まさにその瞬間だった。前触れはなかったという。まだレースが続く中、早々にインタビューに応じたリンブラッドは、事の顛末をこう振り返った。
「ライトが点灯して、その後ギアを入れようとしたのに、ギアが入らなかったんだ。クラッチに問題があったんだと思う。残念だよ」
クラッチの不具合により1速に入らず、リンブラッドの「VCARB 03」はマーシャルの手により回収された。これによりレースの開始は遅れ、リンブラッドはそのままコースを離れることとなった。
コース上のコンディションは目まぐるしく変化しており、ルーキーにとっては学習という点でも良い機会となるはずだった。楽しみにしていたというレースは、始まる前に終わりを迎えた。
悔しさを増幅させたコラピントの活躍
リンブラッドの落胆が大きかったのは、そこまでの週末の出来に大きな手応えを得ていたからだ。改良型VCARB 03は、ジル・ビルヌーブ・サーキットの低速コーナーで印象的な速さを見せていた。
リンブラッドが特に悔しさをにじませたのは、同じく若手のフランコ・コラピント(アルピーヌ)がパドックの称賛を集める活躍を見せたためだった。
コラピントはリンブラッドの一つ後方、9番グリッドからレースをスタートし、最終的には自己最高位となる6位入賞を果たした。
「かなり悔しい。特に、今コラピントが6番手を走っていることを考えるとね。本来なら彼より前からスタートしていたわけだから」とリンブラッドは唇をかみ締めた。
低速モナコへ自信を深めるレーシング・ブルズ
結果を残すことはできなかったが、レーシング・ブルズは次戦に向けて前向きな材料を手にモントリオールを後にする。
チームメイトのリアム・ローソンは、油圧リークにより週末唯一のプラクティスを実質的に失いながらも、決勝を7位でフィニッシュ。アップグレードの成果をリザルトで示した。
その結果、レーシング・ブルズはハースを抜き去り、コンストラクター選手権6位に浮上した。
次に控えるのは、カレンダーの中で最も遅いモンテカルロ市街地コースだ。パーメインはこう締めくくった。
「ここでは低速コーナーでマシンが非常によく機能していた。間違いなくアップグレードの恩恵があった。モナコには低速コーナーしか存在しない。力強いレースができればと願っているし、また同時に自信もある」
2026年F1第5戦カナダGPでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がトップチェッカーを受けて4連勝を飾った。2位はルイス・ハミルトン(フェラーリ)。3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が滑り込んだ。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは、6月5日(金)のフリー走行1で幕を開ける。