
入賞圏走行のアロンソ、リタイヤも不満の矛先は”別”にあり…モナコに「少し期待」。ホンダ応答性向上で前向き材料
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第5戦カナダGP決勝で序盤に大きく順位を上げたものの、26周目にリタイアを選択した。
ソフトタイヤでスタートしたアロンソは、その優位性を活かして3周目には10番手まで浮上した。下位グリッドからポイント圏内に手をかける好スタートだった。
だが、そのポジションを守るだけのペースは、今のAMR26にはなかった。アロンソは徐々に順位を落としていき、最終的には「シートの問題」を理由にマシンを止めた。
入賞圏走行も「本来の位置」へ出戻り
レース後にアロンソは不満を口にしたが、その矛先はリタイアではなく、好スタートで得たポジションを維持できなかったペース不足に向けられた。
アロンソは、リタイヤは「悔しい」と認めつつも、「ただ、リタイア以上に、ペース不足にフラストレーションが溜まったよ」と語った。
「良いスタートを切れたのに、その後は徐々に後退して、僕らにとっての本来の位置に戻ってしまった。あの好スタートを維持するだけのペースがなかったんだ」
それでも序盤の攻防には一定の手応えを感じていた。
「楽しかった。スタートでいくつかポジションを上げられた。ポイント圏外にいる時は、他のドライバーよりもリスクを取ることができるからね」とアロンソは語った。
リタイアの原因がシートの問題だったかと問われると、アロンソは「そうだ」と認めるにとどめ、詳細には踏み込まなかった。
チーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、「快適に走行を続けられない状態になったため」と説明した。
モナコに「わずかな期待」を寄せる理由
苦しい結果に終わったものの、アロンソは週末全体を前向きに捉えていた。スプリント予選では今季初のSQ2進出を果たし、予選でもQ2進出に0.421秒差と迫った。
「少し改善した週末だった。ここ数戦と比べると、若干競争力が上がっていたと思う。だから、この流れを維持できるか見ていきたい」
次戦はモナコGP。モンテカルロ市街地コースはジル・ビルヌーブ・サーキットとは大きく異なる特性を持つサーキットであり、アロンソはそこにわずかな可能性を見ている。
「次はこれまでとは全く違う特性を持つモナコだ。エンジン[パワー]の重要性が少し下がるから、その点でモナコには少し期待が持てるかもしれない」
パワーで劣るマシンにとって、エンジン出力の比重が下がる狭い市街地コースは、数少ない勝負どころとなりうる。
さらに、カナダGPの週末を通して行われたホンダ側の努力もこれを後押しする。
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、依然として目標には達していないとしつつも、「ドライバビリティ面で前向きな兆しを確認できました。次戦モナコで鍵となる部分ですのでポジティブに捉えています」と語った。
夏休み前後の投入が計画されているアップグレードの到着まで、チームは現行パッケージの最適化を通して競争力向上を目指していくほかにない。
なお、チームメイトのランス・ストロールは、母国カナダでの決勝をトップから4周遅れの15位で完走した。
2026年F1第5戦カナダGPでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がトップチェッカーを受けて4連勝を飾った。2位はルイス・ハミルトン(フェラーリ)。3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が滑り込んだ。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは、6月5日(金)のフリー走行1で幕を開ける。