
ラッセル含む6台消える大波乱…アントネッリが歴史的4連勝、王者2人が今季初登壇 / F1カナダGP 2026《決勝》結果と詳報
2026年F1第5戦カナダGPの決勝レースが現地5月24日(日)に行われ、2番手スタートのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が逆転優勝を果たした。キャリア初優勝からの4連勝は史上初となる。
ルイス・ハミルトンは、フェラーリ移籍後最上位となる2位フィニッシュを果たした。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はハミルトンとの激しい順位争いを経て、3位でチェッカー。今季初の表彰台を獲得した。
アストンマーティン・ホンダ勢は、フェルナンド・アロンソがソフトタイヤの優位性を活かして3周目に10番手へ浮上するもペースが上がらず、その後は徐々に後退。「シートの問題」を理由に、26周目にリタイアを選択した。
母国レースのランス・ストロールはレースを完走したが、4周遅れの15位と、バルテリ・ボッタス(キャデラック)を上回るにとどまった。
レースは開始前から波乱含みの展開となった。2度にわたってスタートが延期されたほか、ランキング2位のジョージ・ラッセル(メルセデス)を含む6台がチェッカーフラッグを迎えることなく姿を消す熾烈なサバイバル戦となった。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2026年F1カナダGP決勝における各ドライバーの順位及びタイヤ戦略、2026年5月24日(日) ジル・ビルヌーブ・サーキット
インター選択の明暗
ノートルダム島の上空にはレース前から厚い雲が垂れ込めていた。低い気温と濡れた路面を背景に、レコノサンス・ラップではシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)がターン10ヘアピンへの進入でロックアップ。不穏な展開を予感させた。
スタートタイヤの選択は大きく分かれた。
フロントロウのメルセデス勢やアストンマーティン・ホンダ勢がソフトタイヤを選んだ一方、マクラーレン勢やカルロス・サインツ(ウィリアムズ)らは浅溝のインターミディエイトタイヤを装着。後にこれが裏目に出る。
アーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)がグリッドでトラブルに見舞われたため、フォーメーションラップが2周追加された。これにより総周回数は70周から68周へと減算された。リンブラッドは開始を前にレースを終えた。
1周目はインターミディエイトが機能し、3番手ノリスが、最前列に並んだメルセデス勢のイン側に飛び込び、ターン1を前にトップに立った。アントネッリはラッセルを抜き、2番手に浮上した。
だが、路面状況はすぐにインターミディエイトを見放した。2周目にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、翌周には首位ノリスもスリックタイヤに履き替え、アントネッリがラップリーダーに浮上した。
メルセデス同士の死闘、衝撃的な結末
だが、アントネッリは6周目にラッセルにオーバーテイクを許した。この攻防でタイヤをロックアップさせたことで、アントネッリは反撃のチャンスを失ったが、その後は何度も順位を入れ替える激しい首位争いを展開した。
そして迎えた22周目、ようやくラッセルを攻略すると、わずか1周で1秒以上のマージンを築いた。ところが、24周目のヘアピンでオーバーシュートし、ラッセルが再び前に出る。だがアントネッリはストレートで反撃し、最終シケインへ向けてサイド・バイ・サイドとなった。
アントネッリは引かずに2台は接触。コース外へ逃れたのちにラッセルの前でコースに戻ったが、チームからポジションを戻すよう指示され、「なんでだよ?僕は押し出されたんだ!それに前にいたのは僕の方だ」と不満を示しつつも、しぶしぶ従った。
両者の争いはセンセーショナルな形で幕を下ろした。30周目、パワーユニットのトラブルとみられる不具合により、ラッセルのマシンがコース上に停止。バーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
勝利を視野に入れながらも、リタイヤを余儀なくされたラッセルは、ヘッドレストを投げ捨てるなど、苛立ちをあらわにした。
復活の狼煙を上げた2人の王者
6番手スタートのフェルスタッペンは序盤から順位を上げ、9周目のターン1でパワー不足を訴えるハミルトンを攻略。表彰台圏内の3番手に浮上したが、メルセデス勢に迫るほどのペースはなかった。
終盤に向けてはハミルトンの接近を許し、残り14周で両者のマージンは1秒以内に縮まる。62周目、ハミルトンにオーバーテイクしたが、その後、反撃に転じた。
しかしながら、ファイナルラップを前にしたヘアピンで体制を崩したことで追い抜きのチャンスを失い、ハミルトンの0.508秒後方でフィニッシュした。
現王者のノリスは23周目、メルセデス勢に周回遅れにされると、39周目にヘアピンへと向かうストレートで大きな異音を立てて停止。リタイアした。
ピアストリはヘアピンでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に衝突し、10秒のペナルティを受けた。この結果、フロントウイングの交換を強いられ後退し、最終的には11位でフィニッシュした。アルボンはリタイアを余儀なくされた。
サバイバル戦の行方
42周目には、エステバン・オコン(ハース)と14位争いを繰り広げていたセルジオ・ペレスのキャデラックが、直線走行中に右フロントサスペンションを破損する異例のアクシデントに見舞われリタイアした。
デブリ回収のために45周目と53周目にもVSCが導入されるなど、レースは最後まで荒れ模様となった。
中盤に向けて4番手を走行していたアイザック・ハジャー(レッドブル)は、後方から迫るルクレールに対して複数回進路を変更。クラッシュ寸前に追い込んで10秒ペナルティを受けた。
ハジャーはペナルティ消化後にソフトタイヤでルクレールを追撃したが、黄旗無視によりストップ・アンド・ゴー・ペナルティが科され、5位でフィニッシュした。
フランコ・コラピント(アルピーヌ)はリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)を抑えて6位でフィニッシュし、キャリア最高位を塗り替えた。
8位はピエール・ガスリー(アルピーヌ)、9位にカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、そして10位にはオリバー・ベアマン(ハース)が滑り込んだ。
2026年F1第5戦 カナダGP 決勝リザルト
| Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 68 | 1:28:15.758 | 25 |
| 2 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 68 | +10.768s | 18 |
| 3 | 3 | フェルスタッペン | レッドブル | 68 | +11.276s | 15 |
| 4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 68 | +44.151s | 12 |
| 5 | 6 | ハジャー | レッドブル | 67 | +1 lap | 10 |
| 6 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 67 | +1 lap | 8 |
| 7 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 67 | +1 lap | 6 |
| 8 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 67 | +1 lap | 4 |
| 9 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 67 | +1 lap | 2 |
| 10 | 87 | ベアマン | ハース | 67 | +1 lap | 1 |
| 11 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 66 | +2 laps | 0 |
| 12 | 27 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 66 | +2 laps | 0 |
| 13 | 5 | ボルトレート | アウディ | 66 | +2 laps | 0 |
| 14 | 31 | オコン | ハース | 66 | +2 laps | 0 |
| 15 | 18 | ストロール | アストンマーティン | 64 | +4 laps | 0 |
| 16 | 77 | ボッタス | キャデラック | 64 | +4 laps | 0 |
| NC | 11 | ペレス | キャデラック | 39 | DNF | 0 |
| NC | 1 | ノリス | マクラーレン | 38 | DNF | 0 |
| NC | 63 | ラッセル | メルセデス | 29 | DNF | 0 |
| NC | 14 | アロンソ | アストンマーティン | 23 | DNF | 0 |
| NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 11 | DNF | 0 |
| NC | 41 | リンブラッド | レーシングブルズ | 0 | DNS | 0 |
コンディション
| 天気 | 曇り |
|---|---|
| 気温 | 13℃ |
| 路面温度 | 19℃ |
| 周回数 | 68 |
セッション概要
| グランプリ名 | F1カナダGP |
|---|---|
| レース種別 | 決勝 |
| レース開始日時 |
サーキット
| 名称 | ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット |
|---|---|
| 設立 | 1978年 |
| 全長 | 4361m |
| コーナー数 | 14 |
| 周回方向 | 時計回り |