
背水ラッセル、0.068秒差でポール。大改良メルセデスが最前列独占 / F1カナダGP 2026《スプリント予選》結果と詳報
2026年F1第5戦カナダGPのスプリント予選が現地時間5月22日(金)にジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われ、選手権首位のチームメイト、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を退け、ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得した。
スプリント予選に先立ち行われた週末唯一のプラクティスでは、アントネッリが優勢を示していたが、肝心の予選でトップに立ったのはラッセルだった。SQ3で1分12秒965を記録し、今季2度目のスプリントポールを手にした。
一方、直近3戦で連勝中のアントネッリは、わずか0.068秒届かなかった。タイトル争いで劣勢に立つラッセルが、僅差で若きチームメイトを抑え込んだ。
ラッセルにとって、このポールは前戦の不振を払拭するものとなった。
「マイアミGPが厳しい結果だっただけに、最高の気分だ。でも、自分を疑ったことはなかった。自分に何ができるかは分かっていたからね」とラッセルは語った。
「マイアミは明らかに少し特殊だった。ここは素晴らしいコースだ。グリップは高く、本物のF1マシンを操っているような感覚がある。F1はこうあるべきなんだ。今日は、すべてがかみ合った」
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
パドックを歩きながら拳を握るポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年5月22日(金) F1カナダGPスプリント予選(ジル・ビルヌーブ・サーキット)
最前列独占、際立つ改良メルセデスの優位
メルセデスは、再びフロントローを独占した。FP1での圧倒的な1-2に続き、スプリント予選でもその速さは隔絶していた。モントリオールに投入した今季初の大規模アップグレードが、ライバルとの差をさらに広げた。
3番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続いたが、メルセデスに対するギャップはコンマ3秒に及んだ。ノリスは最初のアタックでミスを犯し、下位に沈んでいたが、最終ラップで盛り返した。4番手にはオスカー・ピアストリが入り、マクラーレンが2列目を固めた。
続く5番手はルイス・ハミルトン、6番手はシャルル・ルクレールと、フェラーリ勢が並んだ。とりわけハミルトンは、スプリント予選の随所で速さを見せた。SQ1ではトップタイムを記録し、アントネッリを上回った。シミュレーターを使わずデータ精査に賭けた週末の準備が功を奏している可能性がうかがえる。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は7番手にとどまった。SQ2では他車より遅れてコースインし、終盤までタイムのない状態が続いたうえ、トラックリミット違反でタイムを抹消された。その後、9番手まで上げたのちピットに入って結果を待ち、辛うじてSQ3進出を決めた。
8番手には、もう1台のレッドブルを駆るアイザック・ハジャーがつけた。9番手にはレーシング・ブルズのルーキー、アーヴィッド・リンブラッドが入った。リンブラッドは危なげなくSQ3に進出し、初めて訪れたモントリオールで好走を見せた。
サインツ、ウィリアムズを今季初のSQ3へ
10番手に食い込んだのは、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)だった。チームメイトのアルボンが、FP1でのウッドチャックとの衝突でスプリント予選を欠場するなか、ウィリアムズにとって大きな意味を持ちうる結果となった。
ウィリアムズは前戦に続き、モントリオールにさらなる開発パーツを投入した。重量超過のマシンをさらに軽量化し、性能を上乗せすることを狙ったものだ。その効果を、サインツは結果で裏づけた。
SQ2終盤、ぎりぎりのアタックで10番手に滑り込み、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)を蹴落として、ウィリアムズを2026年シーズン初の予選最終セグメントへと導いた。サインツはSQ3でも同じ10番手で終えた。
ピアース・ティンを含む幹部の大量補強を進め、長期的な再建を図るウィリアムズにとって、前進を感じさせる一日となった。
アウディ勢は、ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレートがそれぞれ11番手と12番手をマークした。続く13番手には、フランコ・コラピント(アルピーヌ)が並んだ。コラピントはFP1でパワーユニットのトラブルに見舞われ、わずか1周しか走れていなかった。
アストンホンダ初SQ2もアロンソがクラッシュ
今季初の大型アップグレードを投入したハースは、ペースに苦しんだ。エステバン・オコンとオリバー・ベアマンは、SQ2でタイムを記録したドライバーのうち最も遅い14番手と15番手にとどまった。
SQ1では、波乱が相次いだ。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、FP1で10番手、SQ1でも14番手につける好調な滑り出しを見せていた。だが、ターン3でロックアップしてバリアに突っ込み、セッションを終えた。
結果的に14番手で今季初のSQ2に進んだものの、マシンの損傷で走行を再開できず、土曜のスプリントを16番手から始めることになった。僚友ランス・ストロールは18番手に終わった。
クラッシュの割を最も食ったは、19番手に沈んだピエール・ガスリー(アルピーヌ)だった。赤旗を経てコースに出たものの時間がなく、計測ラップを開始できなかった。なおガスリーには、ターン14での走行妨害容疑がかけられたが、最終的にこれ以上の調査は不要と判断された。
キャデラック勢はセルジオ・ペレスが17番手、バルテリ・ボッタスが20番手最下位という結果だった。
アルボンとリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)はFP1でのトラブルが原因となり、そもそもセッションに参加できなかった。アルボンはウッドチャックと衝突し、ローソンは油圧リークに見舞われてコース上に停止した。いずれもスプリント予選までにマシンの修復が間に合わなかった。
スプリントレースは日本時間5月24日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4361mのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを23周する事でチャンピオンシップポイントを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2026年F1第5戦 カナダGP スプリント予選リザルト
| Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:14.772 | 1:13.026 | 1:12.965 | 19 |
| 2 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:14.010 | 1:13.551 | 1:13.033 | 16 |
| 3 | 1 | ノリス | マクラーレン | 1:14.265 | 1:13.957 | 1:13.280 | 15 |
| 4 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:14.665 | 1:13.858 | 1:13.299 | 15 |
| 5 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 1:13.889 | 1:13.465 | 1:13.326 | 23 |
| 6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:15.006 | 1:13.554 | 1:13.410 | 19 |
| 7 | 3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:14.028 | 1:14.412 | 1:13.504 | 15 |
| 8 | 6 | ハジャー | レッドブル | 1:14.541 | 1:14.239 | 1:13.605 | 17 |
| 9 | 41 | リンブラッド | レーシングブルズ | 1:14.517 | 1:14.140 | 1:13.737 | 19 |
| 10 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 1:15.500 | 1:14.547 | 1:14.536 | 24 |
| 11 | 27 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 1:15.673 | 1:14.595 | 14 | |
| 12 | 5 | ボルトレート | アウディ | 1:15.801 | 1:14.627 | 14 | |
| 13 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 1:15.484 | 1:14.702 | 16 | |
| 14 | 31 | オコン | ハース | 1:15.760 | 1:14.928 | 17 | |
| 15 | 87 | ベアマン | ハース | 1:15.872 | 1:15.197 | 17 | |
| 16 | 14 | アロンソ | アストンマーティン | 1:15.760 | 7 | ||
| 17 | 11 | ペレス | キャデラック | 1:16.002 | 8 | ||
| 18 | 18 | ストロール | アストンマーティン | 1:16.354 | 9 | ||
| 19 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:16.642 | 8 | ||
| 20 | 77 | ボッタス | キャデラック | 1:16.866 | 8 |
コンディション
| 天気 | 晴れ |
|---|---|
| 気温 | 20℃ |
| 路面温度 | 40℃ |
セッション概要
| グランプリ名 | F1カナダGP |
|---|---|
| セッション種別 | スプリント予選 |
| セッション開始日時 |
サーキット
| 名称 | ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット |
|---|---|
| 設立 | 1978年 |
| 全長 | 4361m |
| コーナー数 | 14 |
| 周回方向 | 時計回り |