グリッド上で笑顔を浮かべるダニエル・リカルド(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年11月5日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)
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ダニエル・リカルド、ラスベガスでの目標は「雑念の遮断」打倒ウィリアムズに全身全霊

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ダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、自身の役割は打倒ウィリアムズに向けてポイントを獲得する事にあると強調し、F1ラスベガスGPでは「雑念を遮断すること」が目標だと説明した。

米国市場を狙う、あるいは主戦場とするスポンサーにとってラスベガスGPは格好のPRの場となる。いずれのチームも通常以上のプロモーション活動が見込まれる他、町並みは気を散らすに十分なほどにきらびやかだ。

ラスベガスGPの開幕に先立ちリカルドは「コース上でのアクション以外にも色んな事があるだろうから、”ゾーン”から出ないようにして雑念を遮断するのが目標なんだ。週末とレースを盛り上げ、それ以外の活動も楽しむ。そのバランスが重要だと思う」と語る。

「要するに僕はレースをするためにここにいるわけで、それを優先して集中する必要があるってことだ。特にウィリアムズとの差を縮めた今は尚の事、ポイントを獲得することが決定的に重要だ」

「休める時は休み、やるべき時は集中してエネルギーを注ぐ。すごく単純な話だ。ほんの少しでも一息つけるなら、あまり考えことをしないように過ごすつもりだよ」

前戦ブラジルGPでは1周目の多重クラッシュに巻き込まれ、1ラップダウンの消化レースを強いられたが、それでもクルマに対する自信とペースに手応えを得て、一旦イギリスへと戻ってシミュレーター作業に取り組んだ後に渡米。カリフォルニアの自宅でトレーニングに励み、ラスベガスに向けた準備に取り組んできた。

リカルドは「1周遅れでフラストレーションがたまるレースになってしまったけれど、残念な事にそういうルールだから、ポイント獲得のチャンスを逃す事になってしまった」と前戦ブラジルGPを振り返った。

「それでも週末を通してペースがあるように感じたし、クルマの感触は本当に良かったから、スピードという点で励みになった。実際、クリーンエアーの中で走っていると、もっと良い結果をつかめるだけのペースがあると感じる事ができた」

「あの後は慌ただしかった。日曜日の夜にイギリスに戻ってシミュレーターで1日を過ごした後、先週の水曜日にカリフォルニアに飛んだ。家を持ってるんだ。そこでジムやトレーニングに取り組み、残りの時間はゆっくりしてラスベガスに備えた」

ラスベガスはリカルドにとって慣れ親しんだ場所だが、今回の目的はレジャーではなくレースであり、その意味では未知の経験となる。

キャリア通算237戦を誇る8度のグランプリウィナーは、数多くの旋回とブレーキングが要求されるという点で、ロングストレートと90度コーナーの組み合わせを持つラスベガスは難易度がかなり高く、タイヤの温度管理とダウンフォースを生かしたグリップの確保が鍵になると考えている。

「ベガスには何度も行った事があるんだ。楽しい場所だよね。でも、これまでは例えば夏休みや何かにオーストラリアの友人たちと一緒に遊びに行くだけだったから、今回は少し違った気持ちで向かうことになる。その意味では興味深いところだね」とリカルドは語る。

「照明に照らされる夜は特にそうだけど、あそこは本当にシュールな街だし、映画のセットの中でレースをしているような気がするんじゃないかな。そうなら最高だね」

「シミュレータで学んだ感じだと、ここはロングストレートが多く、その先にターンインとブレーキングが頻繁に要求される短い90度コーナーがあるから本当にチャレンジングなコースだと思う。レイアウト的には間違いなく面白いし、良いレースになれば良いなと思ってる」

「あのロングストレートは間違いなく(オーバーテイクの)チャンスになると思う。場所によっては狭く曲がりくねっている所もあるし、かなり独特なチャレンジになるだろうね」

「温度が下がる関係上、タイヤを上手く機能させ、空力的なグリップを十分に生み出せるかどうかがラップタイムの鍵になると思う。アウトラップでかなりハードにプッシュしなきゃならなかった開催1年目のバクーのような感じになるかもね。あの時はグリップが低くてタイヤを機能させるのが大変だったんだ」


舞台となるのは1周6,201mのラスベガス市街地コース。平均速度は「スピードの殿堂」として知られるモンツァに匹敵すると予想されており、数多くのアクションとオーバーテイクが期待される。

F1ラスベガスGPは現地11月16日の20時30分(日本時間17日13時30分)からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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