フェラーリSF90をドライブするシャルル・ルクレール、モンツァサーキットにてcopyright Ferrari S.p.A.

世紀の珍事…戦わずして決したトップ10、ルクレールがPP / F1イタリアGP《予選》結果とダイジェスト

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9月7日土曜に伊モンツァ・サーキットで、2019年FIA F1世界選手権 第14戦イタリアGPの公式予選が行われ、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが1分19秒307を記録。キャリア通算4度目のポールポジションを獲得し、スタンドのティフォシが歓喜した。

スリップストリームがタップライムに大きな影響を与えるモンツァ。予選では終始、他者のトウを得ようとして、激しいトラックポジション争いが行われた。その結果、予選Q3での最終アタックでは、率先して前を走ろうとするマシンが現れず、マクラーレンのカルロス・サインツを除く全9台が時間内にラップを開始できずに、1回目のランでトップ10グリッドが決する珍事となった。

これを受けてスチュワードは現在、予選最終ランの一件に関して調査を行っており、グリッドが大幅に変動する可能性もある。前日のF3の予選では、これと似通った事態が発生し、全19台のドライバーにグリッド降格ペナルティが科せられた。メルセデスのトト・ウォルフ代表は「ジュニアカテゴリー以下だ。誰もが愚か者に見えた」と評した。

フロントロウ2番手はメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。1000秒の39秒差でルクレールにポールの座を許した。セカンドロウ3番手にはバルテリ・ボッタス。セバスチャン・ベッテルを4番手に抑えて、シルバーアローが跳馬2台を分断した。

ホンダエンジン勢の”予選全力組”は、ダニール・クビアトが13番手でQ2敗退。アレックス・アルボンは最終Q3に進出するも、不運な事にタイムを計測できず、ノータイム8番手に終わった。

スペック4への換装によって降格が決まっている2台については、マックス・フェルスタッペンがエンジントラブルを訴えてノータイム最下位20番手。ピエール・ガスリーはQ2へと進出し、エンジンをセーブしながら14番手タイムを刻んでマシンを降りた。

フェラーリとメルセデスに続いたのは、レッドブル・ホンダよりも薄いリアウィングで勝負に挑んだルノー勢。ダニエル・リカルドがコンマ5秒落ちの5番手、ニコ・ヒュルケンベルグが6番手に並んだ。

苦戦が予想されたマクラーレンは、カルロス・サインツが7番手と大健闘。レーシングポイントのランス・ストロールが9番手、アルファロメオのキミ・ライコネンが10番手に滑り込んだ。

午前のFP3に引き続き現地モンツァは晴天に恵まれ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温22.2℃、路面33.7℃、湿度51.3%のドライコンディションでスタートした。

FIA国際自動車連盟は予選を前に、不必要に遅い速度でアウトラップを走行する事を防ぐべく、2つのセーフティーカーライン間の最小タイムを設定した。FIAはこの決定について、安全性向上を目的とした措置であり、違反した場合、ペナルティを科すこともあり得ると、ドライバーに事前警告した。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。

予選Q1:フェルスタッペン「ノーパワー」

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、フェラーリの2台が1セット目にミディアムタイヤを装着。ルクレールがトップタイムを刻んだ。

残り4分34秒のところでは、レーシングポイントのセルジオ・ペレスがターン3でマシンストップ。赤旗中断となった。ペレスは前戦スパでも、メルセデスの最新型エンジンのトラブルに手を焼いていた。第2セクターまで自己ベストを刻んでいたベッテルは、計測中断を余儀なくされ、2セット目にソフトを履いて8番手タイムをマークした。

フェルスタッペンはアウトラップ中にパワーロスを訴えノータイム。予選資格がなくとも決勝への出走が認められる事はあるが、原則としてやむを得ない理由で予選が走れず、かつ、フリー走行中に、決勝出場に足るとみなされるだけのラップタイムを残していた場合に限られる。

スチュワードはフェルスタッペンへの決勝出場を認める事になるだろうが、今回のトラブルと思しきアクシデントによって、図らずもフェルスタッペンはエンジンをセーブした格好だ。ガスリーは9番手で突破。クビアトは1000分の61秒差でハースのロマン・グロージャンを退け、ギリギリのラインでQ1突破を果たした。

ノックアウト

  • ロマン・グロージャン
  • セルジオ・ペレス
  • ジョージ・ラッセル
  • ロバート・クビサ
  • マックス・フェルスタッペン

予選Q2:1000分の2秒差で涙したジョビナッツィ

5台が脱落し残る15台が挑んだQ2ラウンド。ハミルトンが後半2つのセクターでファステストを刻み、トップタイム通過を果たした。

アルファロメオ勢は明暗が別れた。母国レースを迎えたアントニオ・ジョビナッツィは、1000分の2秒という僅差でチームメイトのキミ・ライコネンに届かず、惜しくも11番手で敗退した。

トロロッソ・ホンダは、最後のアタックでガスリーがクビアトを牽引する作戦に出たものの、フェラーリの2台が間に割って入ってしまい、クビアトは13番手でQ2ノックアウトを喫した。降格が決定しているガスリーは、15番手タイムでマシンを降りた。

同じく降格が予定されているマクラーレンのランド・ノリスは14番手。ハースのケビン・マグヌッセンもここで潰えた。

ノックアウト

  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ケビン・マグヌッセン
  • ダニール・クビアト
  • ランド・ノリス
  • ピエール・ガスリー

予選Q3:サインツ除く全車が最終アタックでノータイム

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、路面温度が38℃にまで上昇。他者のスリップストリームを得ようとして、激しいポジション取りが勃発するなか、ベッテルが先陣を切る形で、戦いの火蓋が切って落とされた。

1セット目のアタックでは、キミ・ライコネンがFP1に続いてパラボリカでクラッシュ。コーナーへの侵入の際にリアを滑らせ、車体後方からタイヤバリアに激突した。このアクシデントによってセッションは赤旗中断となり、フィニッシュラインの到達前だったとして、アルボンのタイムが抹消された。

1セット目を終えての並び順はルクレール、ハミルトン、ボッタス、ベッテル。アルボンはラストワンチャンスに全てを賭けることとなった。

残り2分を切ったところで全車一斉にコースイン。スリップを巡る駆け引きが白熱し過ぎた結果、隊列をリードしようとする者がおらず、全車アウトラップを低速で走行。その結果、カルロス・サインツを除く全車が時間内にスタートラインを横切れず、また、サインツが自己ベストを更新できなかったため、1回目のランでトップ10グリッドが決定。世にも奇妙な形での結末を迎えた。

なお先頭でコースインしたヒュルケンベルグはアウトラップの際、ポジションを落とそうと減速するも、後続もこれにあわせて減速。その後、ターン1に向かった際に、コーナーを通過せずにそのまま直進した。スチュワードはこの動きを問題視。「カーナンバー27号車は正当な理由なくトラックを離れた」として、現在ヒュルケンベルグ本人とチーム代表者が招集され、詳しい状況の聴取が行われている。

F1イタリアグランプリ決勝レースは、日本時間9月8日(日)22時10分からスタート。1周5793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。

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