レッドブル・ホンダ、ペレスの”チームプレイ”を称賛…フェルスタッペンへの援護射撃でQ2敗退の危機に
レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は9月10日(金)のF1イタリアGP予選を振り返り、セルジオ・ペレスの献身的なチームプレイを高く評価すると共に、その功績を称賛した。
苦戦が予想される中、レッドブルのピットウォールはポイントリーダーのマックス・フェルスタッペンをより上のグリッドにつかせるべく、ペレスに援護射撃を要請した。ペレスは自身のタイムを犠牲にしてこの重要な役割を見事こなした。
モンツァの予選ではトウの有無が決定的なリザルトの差となって現れる。ペレスはQ2開始と同時にフェルスタッペンの前を先行して走り、チームメイトのトップスピードを引き上げた。だがそのために自身はスリップストリームを得ることができず、Q2敗退の危機に晒された。
幸いにも最終アタックで自己ベストを更新してQ3へと駒を進めたペレスは、最終ラウンドでも同じ役割に徹して9番手でヘルメットを脱いだ。
チームメイトの支援を得たフェルスタッペンはスプリント予選でのフロントローを独占したメルセデス勢には届かなかったものの、エアロ効率の高いマクラーレンMCL35Mの2台を抑えて3番手を獲得した。
クリスチャン・ホーナーは戦術が上手く功を奏したとして、ペレスの献身と功績を讃えた。
「このイベントが今年の我々にとって最大のチャレンジの一つになるであろう事は事前に分かっていた。だがチームとしてはできる限りのことをしたと思う」
「今日はチェコ(ペレス)が重要な役割を果たしてくれたおかげで、チームとして素晴らしい結果を得る事ができた。彼はマックス(フェルスタッペン)にトウを与え、空気抵抗を抑える見事な仕事をやり遂げてくれた」
「これによってチェコは恐らく0.5秒を失った。本来であれば9番手より良い位置で予選を終える事ができていたはずで、我々は今日の成果に本当に満足している」
フェルスタッペンとペレスの予選Q3のタイム差は0.645秒に及んだ。仮にコンマ5秒を上乗せしていれば、ペレスはピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)に代わって6番手を手にしていた計算となる。
予選を振り返ったペレスは土曜のスプリント予選に向けて、中団の只中に沈んだためにオーバーテイクは難しいとの予想を口にする一方、レースは予測不能だとして巻き返しに意欲を示した。
「今日の予選で僕らが苦戦した事は明らかだ」とペレス。
「明日のスプリント予選ではポジションアップを狙うけど、DRSトレイン状態になってしまうと追い抜きは難しいだろうね」
「ただ、今日のロングランは有望だったしレースでは何が起きるか分からないから楽しみにしている」
クリスチャン・ホーナーもまた「明日のスプリント予選はエキサイティングなものになるだろう。それに日曜日のレースも何が起きるか分からない」と息を荒げる。
「マックスはスプリント予選で右側のグリッド(ボッタスの後方)につく。ターン1に向けてトウが得られれば、本当に興奮するようなスタートが見られるだろう」
「ボッタスはエンジンペナルティを受け、日曜のレースを最後尾からスタートする。選手権争いは接戦であり、可能な限り全てのポイントを獲り切る必要がある。スプリント予選の結果を見守りたい」
「今回のトリプルヘッダーは今のところ順調だ。我々にとってはこの勢いを維持してこのステージを締め括る事が重要だ」
スプリント予選の最上位1番手はバルテリ・ボッタス。2番手にルイス・ハミルトンが続きメルセデスがフロントローを独占した。3番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が続く結果となった。
2021年 F1イタリアGPの2日目はFP2とスプリント予選が行われる。決勝レースのグリッド争いは日本時間9月11日(土)23時30分より行われ、1周5,793mのモンツァ・サーキットを18周する事で競い合う。