インディカー第8戦ゲートウェイ Race1︰佐藤琢磨、惜しくも優勝を逃す2位表彰台「レースにミスは付き物」クルーを擁護
2020年NTTインディカー・シリーズ第8戦ボムマリート・オートモーティブ・グループ500のレース1が、米国イリノイ州現地8月29日(土)にワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲートウェイで行われ、スコット・ディクソンが今季4勝目、通算50勝目を上げた。
予選5番グリッドからスタートしたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、燃費を重視した戦略的なレースを展開。175周目の最後のピットストップで右リアタイヤが外れずタイムをロスした事でポジションを落とす格好となったが、”No Attack No Chance”の信念を貫き、新人パトリシオ・オワード(マクラーレンSP)に対して鳥肌が立つような鋭い大外刈りを決めて2番手に浮上。トップを行くディクソンの背後で牙を剥いたが、0.1404秒届かなかった。
NO ATTACK, NO CHANCE.@TakumaSatoRacer, are you KIDDING!? #INDYCAR pic.twitter.com/dsToe51V4C
— INDYCAR on NBC (@IndyCaronNBC) August 29, 2020
3番手スタートで平均時速143.522km/hを記録して勝利を飾ったディクソン。佐藤琢磨の後方3位にはオワードが、4位にはコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハータ)、5位にはマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)が続く結果となった。
ランキング首位の座を更に強固なものとしたディクソンは「最高だ」とレースを振り返った。
「クルーの皆には感謝してもしきれない。終始素晴らしいレースだった。最後にサトーが来るだろうとは思っていたけど、彼がこんなにも速いとは思わなかった。僕らがリザーブモードでエンジンをケアしている時に、彼が物凄い勢いで攻めてきたんだ。先週のインディアナポリスは少し残念(2位)だったから、今回勝てて良かったよ」
© Indycar
ピットミスがなければ優勝の可能性もあっただけに、クルマを降りた直後の佐藤琢磨は深く肩を落としていたが、落ち着きを取り戻すと「チームは素晴らしい仕事をしてくれました。それは明らかです」と語り、仲間のクルーを擁護した。
「レース序盤はマシンの感触がキマっておらず、幾つか順位を落としてしまいましたが、今日の僕らには強さがありました。ガナッシとディクソンを祝福したいと思います。素晴らしい勝利でした」
ピットレーンでのトラブルがなければ、このレースに勝てたか?と問われた佐藤琢磨は「こうした事はしばしば起こるものです。僕自身がミスをすることもありますし、メカニカルトラブルが起こることもあります。フラストレーションが溜まるものだった事は確かですが、僕らは1つのチームです。チームの皆は2週連続で素晴らしい仕事をしてくれました。彼らを本当に誇りに思っています」と答えた。
佐藤琢磨は41ポイントを計上し、ランキング6位から4位へと浮上した。同3位につけるオワードまでは僅か8ポイントだ。
© Indycar / 佐藤琢磨のピットストップ作業を行うレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのクルー
レースはドライコンディションでグリーンフラッグを迎え、1周1.25マイルのコースを200周、距離にして402kmで争われた。レース中盤の108周目に路面に雨粒が落ちてきたため、120周目まではイエローが振られペースカーが隊列を先導した。
注目のオープニングラップでは、グリーンフラッグを前にしたターン4で多重クラッシュが発生。いきなりフルコースイエローとなる波乱のスタートとなった。
事故はオリバー・アスキュー(マクラーレンSP)がシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)に追突する形で発生し、ザック・ビーチ、マルコ・アンドレッティ、アレクサンダー・ロッシのアンドレッティ・オートスポーツ勢と、エド・カーペンター(エド・カーペンター)の4台がクルマを止めた。
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Full course caution after a crash at the start of Lap 1.
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— NTT INDYCAR SERIES (@IndyCar) August 29, 2020
30日(日)のレース2では、佐藤琢磨がポールポジションからスタートする。
2020年のインディカー・シリーズは、例年通りCS放送のGAORA SPORTSで生放送される。視聴には「スカパー!」の他、ケーブルテレビの「J:COM」や光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。
2020 IndyCar第8戦ゲートウェイ・レース1決勝順位結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 3 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
–.—- |
2 | 5 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
0.1404 |
3 | 2 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
7.0052 |
4 | 10 | コルトン・ハータ Andretti |
7.7019 |
5 | 4 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
8.3504 |
6 | 14 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
12.4145 |
7 | 8 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
13.0556 |
8 | 12 | フェリックス・ローゼンクビスト Chip Ganassi |
13.8107 |
9 | 21 | トニー・カナーン A.J. Foyt |
15.0319 |
10 | 16 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
15.6721 |
11 | 7 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
16.26 |
12 | 6 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
16.8155 |
13 | 18 | チャーリー・キンボール A.J. Foyt |
21.4079 |
14 | 15 | オリバー・アスキュー McLaren SP |
24.0143 |
15 | 11 | アレックス・パロウ Dale Coyne |
24.6954 |
16 | 20 | サンティノ・フェルッチ Dale Coyne |
27.0938 |
17 | 1 | ウィル・パワー Team Penske |
2 lap |
18 | 22 | グレアム・レイホール RLL Racing |
76 lap |
19 | 13 | シモン・パジェノー Team Penske |
133 lap |
20 | 17 | エド・カーペンター Ed Carpenter |
197 lap |
21 | 23 | ザック・ビーチ Andretti |
198 lap |
22 | 9 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
200 lap |
23 | 19 | マルコ・アンドレッティ Andretti |
200 lap |