2021年第105回インディ500予選1日目のセッションが5月22日土曜に5時間50分に渡ってインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、スコット・ディクソン（チップ・ガナッシ）が平均時速231.828mphを叩き出して35台の頂点に立った。

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は前日のくじ引きに基づき、12番目に1回目のアテンプトに挑んだ。

佐藤琢磨は1周目に231.386mph、2周目に230.857mph、3周目に230.525mph、そして4周目に230.067mphを記録。平均速度230.708mphで上位に付けたものの、その後、アレックス・パロウ（チップ・ガナッシ）に蹴落とされる形でトップ9から脱落した。

2回目のアテンプトではスピードが伸びず途中で中止。自己ベストの更新を狙って3回目のアテンプトのためにレーンに並んだが時間切れとなり走行できず、最終15番手とファスト9進出を逃した。

あと1台前に並んでいれば3回目の走行が可能であったものの、予選を終えた佐藤琢磨は「ルールをリスペクトすべき。仕方がない」と語った。

曰く、根本的にスピードが不足している状態で、2回目のアテンプトではドラッグレベルを大きく削ったものの、期待した程のパフォーマンスが得られなかったと説明。レースでの巻き返しに向けて「気持ち新たに頑張ります」と締め括った。

RLLレーシング勢はプラクティスを通して印象的な速さを刻んでいたが予選では失速する事となり、グレアム・レイホールが18番手、サンティノ・フェルッチが23番手と、共にフィールド後方に沈んだ。

なお、1回目のアテンプトで6番手タイムを刻んでいたパロウは、2回目の走行の3周目のターン2でクラッシュ。右の前後輪をセーファーバリアに激突させた。

幸いにも大きな怪我はなく、自力でクルマから降りて助けを借りずにメディカルセンターへと向かったが、マシンは大破した。

チップ・ガナッシ勢はトップラップのディクソンに続き、トニー・カナーンが3番手、パロウが7番手、そしてマーカス・エリクソンが9番手と、全車がファスト9進出を決める圧倒的な強さを発揮した。

また、コーナー・デイリーが19番手と奮わなかったものの、エド・カーペンター勢もオーナードライバーのエド・カーペンターが4番手、リーナス・ヴィーケイが5番手をマークした。

ガナッシと並び注目されたアンドレッティ・オートスポーツ勢は2番手コルトン・ハータと8番手ライアン・ハンター=レイがポール争いの権利を手にした。

対照的にチーム・ペンスキー勢は最上位が17番手のスコット・マクラフリンという目を覆いたくなるような結果で、ジョセフ・ニューガーデンは21番手、シモン・パジェノーは26番手、そして2018年のインディ500ウィナー、ウィル・パワーに至ってはファストレーンに並ぶ捨て身のアテンプトが成功せず、トップ30に入るスピードを記録できずに終わった。

予選1日目を以て10～30番グリッドが決した。ディクソンを含む上位9名は23日(日)の予選2日目に、ポールポジションと3列目までのグリッドを争う”ファストナイン・シュートアウト”に挑む事になる。

パワー、チャーリー・キンボール、シモーナ・デ・シルベストロ、セージ・カラム、RC・エネルソンの5名は予選落ちを免れるべく2日目の”ラストロー・シュートアウト”に臨み、残り3つの出走枠を争う事になる。

2021年インディ500 予選1日目結果