火曜に開幕を迎えた第105回インディ500。3回目のプラクティスが5月19日(水)に行われ、9号車PNCバンク・グローアップ・グレイト・ホンダを駆るスコット・ディクソン（チップ・ガナッシ）が226.829mphのベストラップを記録し、イベント2日目を最速で締め括った。

この日のチップ・ガナッシは2008年のインディ500ウィナーであるディクソンを筆頭に、4番手にマーカス・エリクソン、5番手にトニー・カナーン、そして8番手にアレックス・パロウと、4名ともが上位にズラリとクルマを並べた。

ただライバルも黙ってはいない。2番手にコナー・デイリー、3番手にエド・カーペンター、そして11番手にリーナス・ヴィーケイと、エド・カーペンター・レーシングも速さを見せつけた。

初日3番手と好発進を切った佐藤琢磨は首位から2.772mph落ちの20番手。チームメイトのグレアム・レイホールは14番手、サンティノ・フェルッチは34番手と、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング勢はやや後退した印象だが、佐藤琢磨は「今日も良い1日になったと思います」と1日を振り返った。

「今日は低ブーストでの予選シムに取り組み、基本的な事柄について多くを学ぶ事ができましたし、グループランでは力強さがありました」

「グレアムとサンティノもデータを収集してくれたと思いますし、この後のミーティングで確認して明日に繋げていきたいと思います」

スピードを失ったのは佐藤琢磨だけではない。初日にチャートのトップに立ったウィル・パワー（チーム・ペンスキー）も15番手と後退しており、序列はまだまだ予測不能といった状況だが、コンディション変化による影響は見逃せない。

水曜のインディアナポリス・モーター・スピードウェイは気温と路面温度が上昇し、ディクソン曰く「ターン2からターン4にかけての風向きが大きく変わっていた」との事で、初日とはコンディションが異なっていた。

ディクソンは「暑さが増すと誰もが少しばかり”洗礼”を受ける事となり、接近するのが難しくなる。今のところかなり涼しくなりそうな予報だから、レースに関しては観客のみんなにとってかなり充実した展開になるんじゃないかと思う。接戦だろうね」と付け加えた。

6台体制のアンドレッティ・オートスポーツはマルコ・アンドレッティの10番手が最上位。チーム・ペンスキー勢に至っては15番手のパワーが最高位と、この日はビッグチームが軒並みフィールド後方に下がる格好となった。

なお、初日にマシントラブルに見舞われた事で、ルーキー・オリエンテーション・プログラムをクリア出来ていなかったRC・エネルソン（トップガン・レーシング）は、プラクティスが始まる前の特別セッションでの75号車を駆り、フェーズ2とフェーズ3で課せられたスピードを達成した。だた、オープンプラクティスへの参加は見送った。

プラクティス4は20日(木)の現地正午から18時にかけて行われる。予選前日の”ファストフライデー”以降はターボチャージャーのブースト圧が引き上げられるため、ドライバー達にとっては低馬力での最後の走行機会となる。

2021年インディ500 2日目順位結果