第105回インディ500初日プラクティスが5月18日(火)に行われ、12号車ベライゾン5Gシボレーを駆るウィル・パワー（チーム・ペンスキー）が226.470mphのトップラップを記録。初日を最速で締め括った。

2週間に及ぶイベント初日を迎えたインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）。この日は2回に渡ってセッションが行われ、35台のマシンが2000周以上を重ねた。午前中の雨の影響で午後のセッションは3時間から1時間50分へと短縮された。

2番手には2014年のインディ500ウィナー、ライアン・ハンター=レイ（アンドレッティ・オートスポーツ）が続き、今年連覇を目指す佐藤琢磨（レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング）は3番手に付けた。

レイホール勢はチームとしても悪くないスタートを切ったようだ。僚友グレアム・レイホールは小雨の影響で3回に渡って中断を強いられた午前のセッションをリード。サンティノ・フェルッチは午前に記録した222.204mphが29番手となった。

1日を振り返った佐藤琢磨は笑顔を見せて「ファンの姿が見れて本当に嬉しいです」とコメント。些細な問題が生じたとしながらも全て解決済みとの事で、様々なプログラムを消化できた事で「本当に生産的な1日になった」と語った。

「ほんの少しですが、チームが素晴らしい仕事をしてくれている事が分かりホッとしています。とは言え、フィールドはかなりタイトですし、レースも同じような展開が予想されます」

「過去2シーズンは幸運にも良い結果を得る事ができました。この勢いが続く事を願っていますが、最終的には自分達の手に負える事ではありませんので、どうなるかは分かりません」

「僕らとしては自分達の仕事に集中し、予選でトップ9に入ること、そして強力なレースカーを用意する事に集中していきたいと思います」

インディカーは今年、ダラーラ製シャシーのアンダーウィングにある”穴”の前側半分を、カーボンファイバー製のクラムシェルピースで埋める事を義務付けるレギュレーションを導入した。

これはオーバーテイクの促進を狙うもので、ダウンフォースが増加する一方、フロントウイングへの依存度が下がる事が期待されている。

1日を振り返ったパワーは「トウは大きい。隊列に追い付くのは容易で、トラフィックの中での走行に関してはかなり良い感じだった」と述べ、ルール変更が望ましい方向に機能しているとの考えを示した。

「ダウンフォースが増える事で激しいレースが期待できると思う。これだけ接近して走る事ができたわけだからね。先行する3台が絶えず順位を入れ替えるといった以前のようなレース展開になるんじゃないかと思う。これはファンにとっても素晴らしい事だ」

この日は雨による2時間20分のディレイの後、ルーキー・オリエンテーション・プログラムとベテラン勢のリフレッシュ・テストが行われた。

JRヒルデブランドとステファン・ウィルソンは無事にリフレッシャー・テストを消化したものの、3名の新人の中で唯一、4月のテストでルーキーテストを終えていなかったRCエナーソンは、3段階のテストのうちの2段階目を終えようとしていた最中にマシントラブルに見舞われたため、水曜日の午前11時にコースに戻りテスト修了を目指す事になる。

2日目の19日(水)には、現地12時～18時の6時間に渡って3回目のプラクティス走行が予定されている。

2021年インディ500初日順位結果