クリスチャン・ホーナー、疑惑を巡りF1の”暗黒面”が露呈と主張
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、自身の疑惑を巡る混乱に乗じて利を得ようと画策する者がいるとの考えを示し、その行為を非難した。
レッドブルGmbHがホーナーに対する苦情を却下すると、騒動は一転、各々が自らの利益を巡って繰り広げる駆け引きと権力闘争の様相を呈し始めた。
調査結果の公表翌日には、未公開の調査報告書に含まれるとされる証拠が匿名の送信者によりメディアやF1幹部を含む関係者にリークされ、マックス・フェルスタッペンの父ヨスはメディアを通してホーナーの退任を要求した。
また、メルセデスのトト・ウォルフ代表とマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、詳細を公表するようレッドブルGmbHに圧力を掛けるべくFIAとF1に介入を要求し、前者はヨス・フェルスタッペンと幾度となく会話の場を持った。
ホーナーはF1第2戦サウジアラビアGPの初日に行われた会見の中で次のように述べ、一部の利害関係者が騒動を利用してレッドブル・レーシングあるいは自身の弱体化を目的に暗躍しているとの考えを示した。
「この件がこれほど注目されるようになった唯一の理由が、例のリークとメディアが取り上げた事によるものである事は明らかだ。それは多くの点において本当に、本当に耐え難いもので、全てがあまりに一方交通であるため私の家族にとっては尚更だ」
「そして、その後には他の人々がこれを利用しようとした。残念ながらF1は競争が激しいビジネスで、そこから利益を得ようとする者があったのは明らかだ。これはおそらく、我々の業界のあまり美しくない一面だろう」
先週末のバーレーンGPでは妻ジェリ・ハリウェルが現地に駆けつけ夫に寄り添う姿があった。調査とこれを巡る一連の騒動の影響が家族にまで及んでいるとしてホーナーは、区切りをつけて前に進むべきだと訴えた。
「本当に辛い時期が続いているのは明らかだ。私は結婚していて3人の子供がいる。関心は子供たちにまで向けられ、私の結婚生活にも監視の目が向けられることになった」
「本当に幸いな事に、私は素晴らしい家族と私を支えてくれる妻に恵まれた。それにこの件で名指しされているのは私だけだ」
「だからこそ、本当につらく、本当に大変なんだ。子供たちや家族、両親などが巻き込まれれば大事だからだ」
「申し立てられた苦情はレッドブル・レーシングではなく、オーナーであるレッドブルGmbHによってこれ以上ないプロフェッショナルな方法で処理された」
「レッドブルGmbHはこの国(イギリス)で最も評判の高い独立した王立弁護士に調査を託した。彼は時間をかけてすべての事実を調査した。関係者全員と利害関係のある他の人々とも面談した。全てを調べ上げ、全ての事実を把握したうえで苦情を却下するという結論を出したんだ」
「私としては、そしてレッドブルとしては、未来に目を向け前に進むだけだ」
「ご存知のように私の妻は家族同様、信じられないくらいに支えになってくれた。家族に対する干渉はもう十分だ。我々は前に進み、この場にいる目的に焦点を当てなければならない」
「今こそ前を向き、一線を引くべき時だと思う。我々はレースをするためにここにいる。F1チームとしてこの場にいるんだ」
日付 | 概要 | 詳細 |
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2月5日 | 告発を受けレッドブルが調査開始を発表 | URL |
2月6日 | 告発者は女性従業員との報道 | URL |
2月9日 | 弁護士による8時間に聴取も未決着 | URL |
2月15日 | ホーナー、不和説や権力闘争を否定 | URL |
2月16日 | 蘭紙がセクハラ・和解提案疑惑を報道 | URL |
2月18日 | F1が声明を発表 | URL |
2月25日 | フォードが不満を表明 | URL |
2月28日 | レッドブルがホーナー続投を発表 | URL |
2月29日 | ホーナー、バーレーンで結束を強調 | URL |
証拠リーク騒動 | URL | |
ウォルフとブラウン…F1とFIAに介入要求 | URL | |
3月1日 | FIA会長がホーナー騒動に言及 | URL |
ヨスがホーナー退任を要求 | URL | |
ヨスがウォルフと、FIA会長がフェルスタッペンと接触 | URL | |
3月6日 | ホーナー、F1誌に記事削除を要求 | URL |
3月7日 | ヨスの対応にフェルスタッペンが反応 | URL |
レッドブル、ホーナー告発女性を停職処分 | URL | |
ホーナー、混乱に乗じる者を非難 | URL |