F1:開幕迎えてなお未解決の恐れも…8時間に及んだホーナーの聴取、疑惑を巡る最新情報と今後の行方
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表兼CEOの疑惑を巡る問題は長期化する可能性が懸念されている。2024年の新車「RB20」の発表イベントはおろか、プレシーズンテストやシーズンが開幕を迎えてなお、解決しない恐れが出てきた。
詳細は公表されていないが、英国ミルトンキーンズのチームの指揮官は「不適切で支配的な行動」を採ったとして同僚女性から被害を申し立てられた。これを受けオーストリアのザルツブルクにある親会社のレッドブルGmbHは調査のために独立した法廷弁護士を雇った。
その第一回目となる聞き取り調査が英国現地9日(土)、秘密裏にロンドンで行われた。当初はミルトンキーンズのオフィスでの面会が予定されていたが、報道陣の関心が高いことから混乱を防ぐべく変更された。
伝えられるところによると、辞任圧力がかけられているともされるホーナーは、汚名を晴らすべく調査官に対しても自らの無実を主張した。聴取は午前10時頃に始まり、計8時間近くに及んだという。
この疑惑についてはレッドブルGmbHが可能な限り迅速に解決したいとしていた事もあり、2月15日(木)に予定されるローンチイベント前の決着が期待されていたが、その見通しは長引く方向に変化しつつある。
その理由はおそらく3つある。1つは当事者同士の見解が食い違っていること、もう1つは、レッドブルとは直接の利害関係にない独立した第三者によって一連の調査が行われていること、そしてレッドブルGmbHが本件を「徹底的」に解明したいと望んでいることだ。
調査を託された弁護士グループにとってF1のタイムスケジュールは関知するところにない。客観的立場から事実を明らかにして公平性のある結論を出すことが使命であり、新車発表やプレシーズンテストまでに間に合わせる事は、その使命の達成において障害となる可能性すらある。
英「SkySports」は「かなり長いプロセス」になるだろうとして、プレシーズンテストや3月2日に決勝レースが行われる開幕バーレーンGPになってなお、調査が進行中のままとなる可能性に言及した。
無論、早い決着を予想する声もある。米「ESPN」は関係者からの情報として、来週には評決が出るだろうと伝えている。
チーム代表が疑惑の渦中に置かれる中でのローンチイベント、シェイクダウン、そしてプレシーズンテスト、そしてバーレーンGP。レッドブル・レーシングにとって、問題解決までの日々は酷く悩ましいものになりそうだ。