内部告発か…F1チーム代表ホーナーに「不適切行為」疑惑、レッドブルが調査を開始
2024年シーズンの開幕を間近に控え、「不適切な行為」があったとの疑惑を受けレッドブルGmbHは、F1に参戦するレッドブル・レーシングのチーム代表、クリスチャン・ホーナーに対する内部調査を開始した。
オーストリアのエナジードリンク企業は2024年2月5日(月)、声明の中で「外部の専門弁護士」による「独立」した調査を開始した事を明らかにし、「これらの件を極めて真剣に受け止めている」と付け加えた。
調査を主導しているのはF1チームのレッドブル・レーシングではなく、親会社に相当するレッドブルGmbHで、報道によるとチームの従業員の一人は調査の開始について全く知らなかったと語ったという。
レッドブルは疑惑の中身について明らかにしていないが、英紙「Times」によると、同じチームで働く同僚女性がホーナーの「不適切な行為」についてレッドブルGmbHに苦情を申し立てたという。なお「アグレッシブな経営スタイル」が原因との情報もある。
オランダの「De Telegraaf」によるとホーナーは疑惑を「断固」否定した。また独「Motorsport-total」によると、昨年、ホーナーとの間で権力闘争が噂されたレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは一件に関するコメントを拒否した。
50歳のイギリス人チーム代表は2015年にスパイス・ガールズの元メンバー、ジェリ・ハリウェルと結婚。2017年に息子を授かった。また、以前の交際相手との間にも娘がいる。
2013年にはF1での功績が認められ大英帝国勲章(OBE)を、そしてつい先日には大英帝国勲章司令官(CBE)を受章した。
ホーナーは現行グリッドの中で最も長くチーム代表を務めている人物で、レッドブルが2005年にF1に参戦して以来、英国ミルトンキーンズのチームを監督しており、これまでにコンストラクターズ選手権で6回、ドライバーズ選手権で7回の優勝を飾っている。
少なくとも調査完了まではホーナーは、チーム代表兼最高経営責任者(CEO)としての職務を継続するものと見られる。ホーナーは2021年にレッドブルとの間で2026年までの契約延長にサインした。
チーム代表兼CEOというチームのトップ足る個人に対する疑惑をレッドブルGmbHが「極めて真剣」に受け止め、独立した第3者グループによる調査を開始した事は注目に値する事態と言える。
疑惑で終わるのか、それとも辞任を含む責任問題に帰着するのか。最終的な結果は調査によって決定されることになる。この調査がレッドブルの新車発表会やチーム運営にどのような影響を及ぼすかについては、今後の展開次第だろう。
レッドブル・レーシングは今年、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル4連覇および、コンストラクターズ選手権3連覇に挑戦する。2024年型F1マシン「RB20」は2月15日に発表される予定だ。