クリスチャン・ホーナーがチーム代表を続ける限り、レッドブル・レーシングは崩壊する恐れがあるとヨス・フェルスタッペンが主張した事を受け、息子のマックスは、自分の父親は「嘘つきではない」と主張した。

レッドブルGmbHは調査を経て、ホーナーが「不適切な行為」を働いたとする女性従業員からの苦情を退けたが、被害を訴えた女性には不服を申し立てる権利があり、またバーレーンでの週末には非公開の調査報告書に添えられた証拠とされる文書がリークされるなど、収拾はおろか、事態は悪化の一途を辿っている。

ポールポジション、優勝、ファステストラップ、全周リードのグランドスラムを以て、息子がドライバーズタイトル4連覇への第一歩を踏み出したバーレーンでの週末、ホーナーについてヨス・フェルスタッペンは「被害者ぶっている」と非難し、このまま今の立場に留まればチームは「引き裂かれ」「爆発する」と警告し、退任を要求した。

英「Sky Sports」によると、第2戦サウジアラビアGPの開幕に先立ちフェルスタッペンは、父親の発言に同意するか？と問われ「分からない。そうならない事を願っているし、そうなってはならないとも思ってる」と答え、チームが崩壊するような事態は避けなければならないとの考えを示した。

ヨスは自身の発言を後悔しているか？との質問に対しては「彼にそう尋ねた事はない」と返し、「カート時代から彼はいつも本当に率直だった。嘘をつくような人じゃないと思ってる。それは確かだ。僕から言えるのはそんなところだね」と続けた。

ヨス・フェルスタッペンは現役時代から警察沙汰が多く、乱闘騒ぎによって被害者の頭蓋骨を骨折させ執行猶予付きの5年の懲役刑を受けたり、マックスの母親であるソフィー・クンペンを脅迫し、接近禁止命令に違反したとして罰金と3か月の執行猶予付きの判決を言い渡されたり、最終的には証拠不十分で起訴が取り下げられたが、2012年にはかつての恋人を車で轢いたとして殺人未遂容疑で逮捕された事もあった。

ホーナーはサウジアラビアGPに先立ち、フェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルミューレンとドバイで話し合いの場を持ったと考えられている。一方のヨスはベルギーでラリーに参加するものと見られており、サウジアラビアには来ていない。

フェルスタッペンは前日までヨスと行動を共にしていたと明かし、「いつも話をする関係だし、僕と父、そしてレイモンドは一つのチームなんだ。今後もそれは変わらない」として一体感を強調したが、同時に何らかの理由でヨスは、ホーナーが現職に留まる限りチームに崩壊の恐れがあるという事を「ハッキリ」と感じたのだと思うと付け加えた。

「ただ僕としては、どちらの側（ヨスの側かホーナーの側か）にいるかは問題じゃないんだ。もちろん、息子である僕が父さんと別の側にいるのであればそれは奇妙な事ではあるけど、僕としてはただ、パフォーマンス面に集中したいだけだ」

「だからコース外でのチームの事について、パフォーマンス面についてのこと以上に話をしたくないんだ。今の僕らには素晴らしいクルマがあって、最高のシーズンを楽しみたいと思っているからね」

FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長がバーレーンで、公の場でホーナーを支持するよう求めたとされる件に関しては、接触があったと認めつつも、”プライベート”でのアプローチを理由に「イエスともノーとも言うつもりはない」と述べ、言及を避けた。

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