メルセデスのトト・ウォルフ代表とマクラーレンのザク・ブラウンCEO
Courtesy Of Mercedes / McLaren

レッドブルのホーナー調査報告、透明性の欠如を指摘するウォルフとブラウン…F1とFIAに介入求める

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「不適切な行為」を巡るレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表に対する調査報告について、メルセデスのトト・ウォルフ代表とマクラーレンのザク・ブラウンCEOは透明性に欠けるとして、F1と国際自動車連盟(FIA)に介入を求めた。

プレシーズンを通して女性従業員に対する疑惑の渦中にあったホーナーは、2024年の開幕バーレーンGP前日にレッドブルGmbHにより発表された調査完了を告げる声明を以て、無罪放免となった。

女性従業員に対する疑惑の払拭を受けパドックでマックス・フェルスタッペンと抱擁するレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2024年2月29日F1バーレーンGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

女性従業員に対する疑惑の払拭を受けパドックでマックス・フェルスタッペンと抱擁するレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2024年2月29日F1バーレーンGP

ただしレッドブルGmbHは、「調査に協力した当事者および第三者の個人情報」が含まれるなどとして調査報告書を機密扱いとし、これを理由に疑惑や調査に関する詳細を一切、明らかにしていない。

嫌疑が晴れたとの発表翌日に行われたF1バーレーンGPのFIA公式会見、つまり調査に関わる証拠とされる情報がリークされた半日前、ライバルチームの幹部2人はレッドブルの声明について問われ、透明性に欠けるとして納得していない旨を強調した。

レッドブルの声明についてウォルフは「かなり基本的なものだった」と述べ、簡潔過ぎるとの認識を示し、「このような重大なトピックに関して、グローバルスポーツとしての立場を標榜するうえでは、もっと透明性が必要だと思う」と語った。

また、ブラウンは「声明を読んだが、私が見た限りでは、多くの噂や憶測、疑問が続いているように思う」と返し、次のように続けた。

「FIAには、このスポーツとファンに対する責任と権限があると思う。F1の関係者は誰もが皆、他のスポーツでそうであるように、コースの内外におけるこのスポーツのアンバサダーなのだから、彼らは完全なる透明性を示す必要があると思う」

「それが行われるまで憶測は飛び交い続けるだろう。なぜならプロセス全体について答えのない疑問がたくさん残っているからだ。それはこのスポーツにとって健全なことだとは思わない」

詳細を公表するようレッドブルGmbHに圧力を掛けるべきなのか、それとも関係者のプライバシーを尊重すべきなのか、との質問に対してウォルフは「このような重要なトピックを曖昧で不透明なままにしておくわけにはいかないと思う」「物事が現代的に進んでいるとは思えない」と返した。

同じ質問に対してブラウンは「最終的にはF1の主催者やF1のオーナー次第」であり、F1に関わる全ての関係者があるべき姿で活動しているかどうかを確認するのは両組織の「責任」だと主張した。

結果が判明する前の段階でFIAは「調査が終了するまで詳細なコメントは保留する」と述べていた。現時点でFIAとF1は調査結果についてまだ正式なコメントを出していない。

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