レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナー
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合理的に考えてフェラーリがF1撤退する事はない、とレッドブル・レーシング代表

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レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、スクーデリア・フェラーリがF1撤退を仄めかしているのは只の脅しだと主張する。フェラーリ会長セルジオ・マルキオンネは、今秋FIAとリバティ・メディアによって示された2021年以降のF1エンジンビジョンに対して反対の異を唱えており、提示された現状の方向性のままではF1撤退も辞さないと強硬な態度を貫いている。

2021年以降のF1エンジンビジョンに不満

マルキオンネが同意できないとする理由の一つは画一化。構想ではコスト削減を理由とするエンジン寸法や重量の制限の他、MGU-Hの廃止や電子コンポーネントの共通化等が盛り込まれており、フェラーリブランドの独自性を打ち出したいマルキオンネと対立している。

イタリアの高級自動車メーカーとして知られるフェラーリは、広告宣伝活動を一切行わない企業。プロモーションとブランディングの全てはF1での成績と活動にかかっており、企業の生命線といえる。それだけに、レギュレーション改定とF1の進む先に神経を尖らせる。

12月2日に行われたアルファロメオ・ザウバーの発表会では、撤退は脅しではないと重ねて強調、エンジンサプライヤー間の平均化と画一化の動きを牽制した。

アルファロメオのF1復帰が全てを物語る

だがホーナーは、アルファロメオが来シーズンに復帰した事実こそが、フェラーリがF1にコミットし続ける意思を持つ何よりの証であり、撤退はあり得ないだろうとの見解をロイターに示した。両ブランドは共にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下、スイスに本拠地を置くザウバーF1チームは11月29日、来シーズンよりアルファ・ロメオをメインスポンサーに迎える事を発表した。

「フェラーリが2・3年の内にF1を離れる意思があるならば、セルジオのマネジメント下にあるアルファが復帰する事はなかっただろう。復帰はフォーミュラ1が真っ当な仕事をし真価をみせている事の表れであり、そうでなければFCAはアルファというブランドをF1に持ち込むことはなかったはずだ」

「F1はフェラーリを必要としフェラーリはF1を必要とする。これは多くの点で理にかなった事であり、結局両者はお互いを必要としている。我々とてフェラーリにはF1にいて欲しい。このコラボレーションは世界中で最も大きなブランドの一つであり、彼らは競争相手として不足ない素晴らしいチームだ」

フェラーリはこれまでに幾度となくF1撤退をレギュレーション問題の交渉材料としており、決して今回が初めてではない。