公式ゲーム「F1 23」に収録されるトリプルクラウン仕様のマクラーレンMCL60
Courtesy Of Electronic Arts

公式ゲーム「F1 23」はどれだけ”リアル”になった? 現役F1ドライバーのインプレッション

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7月6日(木)の日本語パッケージ版の発売に先駆けて公式F1ゲームの最新作「F1 23」のデジタル版がカナダGP開幕の2023年6月16日(金)に発売された。どれだけ”リアル”に近づいたのか?現役F1ドライバーの評価を紹介したい。

Electronic Artsによると本作は、F1チームからのフィードバックを取り込み、新たなPrecision Driveテクノロジーを採用するなどしてハンドリングが「大幅改善」されたという。

シムレース愛好家としても知られるランド・ノリス(マクラーレン)はElectronic Artsの好意で、いち早く「F1 23」をプレイ。2023年初登場のラスベガス市街地コースを走行し、ファースト・インプレッションを公開した。

ノリスは「グラフィックやクルマのハンドリングを含めて全てが刷新された。何よりキャラクターモデルのアップグレードが素晴らしい」「グラフィックは信じられない位に美しいし、クルマの音もかなり良い」と高く評価。ゲームに登場する自身のアバターに触れて「前作は下品な顔だったけど…わお!似ている!」と喜んだ。

F1公認ゲームの最新作「F1 23」の開発中画面 (1)Courtesy Of Electronic Arts

F1公認ゲームの最新作「F1 23」の開発中画面

ビジュアルとサウンドに関しての評価はかなり高い。ではクルマの挙動などの物理面はどうか? ゲームに求めるものは人ぞれぞれで、必ずしもリアルである必要はないが、どれだけ本物のF1マシンに近いのかは気になるところだ。

キャリア通算89戦、6度の表彰台を誇る23歳のイギリス人ドライバーによると、F1マシンのドライビング感覚としては前作よりもリアルになってはいるが、現実のマシンはもとより、依然として本格的なシミュレーターとも「かけ離れている」という。

英「RaceFans」によるとノリスは「ゲームと実際のシミュレーション・プログラムには大きな違いがあるんだ」と説明した。

「結局のところゲームはゲームであって、プレイヤーが楽しめるように作られている一方、シミュレーターでのドライビングというのは遊ぶというよりも実際にドライブするって感じだから、この2つには大きな違いがあるんだ」

F1公式ゲームは年々「良くなってきている」とした上でノリスは、本物のレーシングカーの感触が知りたければ、サブスクのオンラインシミュレーター「iRacing」や、商用・軍事シミュレーターとしてのルーツを持つ「rFactor」を試してみるべきだと勧めた。

「iRacingやrFactorのようなシミュレーション用に設計されたプログラムの方がF1ゲームよりも遥かに優れている。それは、F1のゲームがゲームであって、実際のF1マシンに忠実にデザインされていないからだと思う」

「ゲームは本当に楽で、良いものだと思う。バンプも縁石も気にせず走れるしね。一般的にゲームの中では実際の僕らより5秒くらい速く周回できる。意味はないけどね」