フォーミュラEの舞台マラケシュの大自然copyright LAT/Formula E

フォーミュラEのSUV版「Extreme E」が2021年1月に開幕…熾烈な環境下でEV四駆が競い合う

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電動レースカー選手権フォーミュラEの「SUV=スポーツ・ユーティリティー・ビークル」版とも言える新たなモータースポーツシリーズが、2021年1月の初開催に向けて動き出した。

フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグと、マクラーレンのF1チーム代表を務めるジル・ド・フェランが共同で立ち上げた「Extreme E」は、4輪駆動の電動車が極限の環境下でレースをするというもので、地球上で最も過酷な環境を持つ5箇所で開催される。

まだ正式な開催地は決定していないものの、フォーミュラEと同じく気候変動による環境問題に焦点をあてて、北極圏やヒマラヤ山脈、サハラ砂漠やアマゾンの熱帯雨林などでのオフロードレースが計画されている。運営はフォーミュラEが行う。

マシンにはフォーミュラEの2倍の出力を誇る電気モーターが搭載され、チームに開発の自由が委ねられる。バッテリーは共通仕様で、フォーミュラE同様にマクラーレン・アプライド・テクノロジーが供給する。2022年のセカンドシーズンには、水素を動力源とする燃料電池車両(FCV)の導入が予定されている。

全12チームが各1台のEV四駆マシンを投入し、1ステージ6~10kmで年間5ラウンドを戦う。予算制限が課され、各チーム500万ポンド、日本円にして約7億1,670万円の予算でチームを運営しなくてはならない。また、技術力の均衡を図るために、自動車メーカー系チームはプライベーターに対して技術共有を行う事が義務付けられる。

現時点では参戦チームは決定していないものの、自動車メーカー9社が名乗りを挙げている。FCVといえばトヨタやホンダ、BMWやGMなどが開発を進めており、日本メーカーの参戦も大いに期待できそうだ。タイヤは同シリーズに出資するコンチネンタルが公式サプライヤーを務める。

「私はこのシリーズがマニュファクチャラーにとって素晴らしいプラットフォームになると考えている」とアガク。「というのも、そのまま市販車になり得るマシンを参加させることができるからだ。それに、過酷な状況下で電動SUVを走らせる事によって、メーカーは市場と顧客に対して非常に意味のあるメッセージを伝えることができる」

大自然がサーキットであるため、パドックは数百万ポンドを投じて改修された旧英国王立郵便船セントヘレナ号上に作られ、マシン及びチームメンバーを戦いの舞台へと送り届ける。更に、この船はチームの拠点・研究開発ファクトリーとしても利用される。レースの模様は、アカデミー賞映像作家のフィッシャー・スティーブンスが撮影し、ドキュメンタリー映像として放送される。