
”恣意的編集”か―フェラーリ「茶番だ」とF1を非難、ハミルトンのチームオーダー無線をめぐり
2025年FIA-F1世界選手権第2戦中国GPでのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのチームオーダーによる順位交代をめぐる無線放送に対し、フェラーリ代表フレデリック・バスールがフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)に対し、「茶番だ」と強い不満を示した。
56周のレースの18周目にハミルトンは、フロントウイングを損傷したルクレールのプレッシャーを受ける中、「僕は苦戦しているから、シャルルを先に行かせるつもりだ」と自発的に順位交代を申し出ていたが、この最初の無線は国際映像では放送されなかった。
その後、担当レースエンジニアのリカルド・アダーミは「ターン14でポジションを入れ替える」と告げたが、戦況の変化によりハミルトンは「彼(ルクレール)がもっと近づいたらそうする」と返した。
その後、アダーミが「この周で入れ替えたい。今すぐ交換してくれ」と伝えると、ハミルトンは「交換する時はこちらから伝える」と返答し、その2コーナー後のターン1でポジションを譲った。
こうして一部の無線内容だけが放送されたため、あたかもハミルトンがチームオーダーに応じることを渋ったかのような印象が広がった。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
上海インターナショナル・サーキットを走行するルイス・ハミルトンのフェラーリSF-25、2025年F1中国GP
The Raceによるとバスールはレース後、「茶番だ。最初に交代を申し出たのはルイスなのに。FOMは番組を盛り上げるために、その後半部分だけを放送したんだ」と不満を示し、「この件についてFOMと話すつもりだ」と明言した。
順位を入れ替えた後、レース終盤にはフレッシュタイヤのハミルトンがルクレールの背後につける展開となったが、フェラーリは順位を戻す判断を下さなかった。
ハミルトンは順位を入れ替える前、「もし彼が前を抜けなかったら、ポジションを戻してもらえる?」と無線で軽く尋ねていたが、以降は再交代を求めることはなかった。なお、これに対してアダーミは「OK、分かった」と返答している。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
スプリントを前にグリッド上でフレデリック・バスール代表と話をするルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2025年3月22日(土) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)