F1のステファノ・ドメニカリCEOは、オーストラリアGP終了後にタイを訪問し、バンコクでのF1開催に向けて現地政府と交渉を行うことを明らかにした。
2025年のF1カレンダーは史上最多の全24戦が予定されており、スケジュールは完全に飽和状態にある。しかし、世界的なF1人気の高まりを受け、新たな開催地が次々と名乗りを上げている。
新たな開催候補地とタイの動向
2026年シーズンには、スペイン・マドリードの「マドリング」が新たにF1カレンダーに加わる予定で、ベルギーGPは交互開催方式を採用する初のレースとなる。このシステムにより、今後さらに多くのサーキットがF1カレンダーに加わる可能性が広がっている。
ドメニカリは、「我々は将来のF1にふさわしい場所に焦点を当てることに成功している」と語り、タイを含む複数の地域での開催の可能性を模索していることを明かした。
「メルボルンのレースが終わったらバンコクへ向かい、政府がF1開催にどの程度関心を持っているのかを確認する予定だ」と述べ、交渉の進展に期待を寄せた。
タイ政府のF1誘致計画
タイのスレッタ・タビシン首相は、2023年のエミリア・ロマーニャGPを視察し、ドメニカリCEOと会談。その後、「タイ政府はF1を誘致する意向があり、国際イベントの開催地としての地位を確立することを目指している」と発表した。
バンコク市街地でのストリートレース構想は長年にわたり検討されてきたが、今回の交渉はその実現に向けた重要なステップとなる可能性がある。タイ・バンコクでの開催が実現すれば、東南アジアにおけるF1の存在感は大きく高まることになるだろう。
他地域での開催の動き
F1の新規開催候補地はタイに限らず、アフリカや南米でも活発な動きが見られる。ルワンダ政府はF1をアフリカ大陸に再び誘致する意向を示しており、アルゼンチンも1998年以来のF1復帰を模索している。
しかし、コンゴ民主共和国の代表者は、ルワンダにおける紛争問題を理由にF1の開催に反対する声を上げており、今後の展開が注目されている。