
マドリードの新F1サーキット名称「Madring」に決定―なぜ”マドリング”?
F1の新たな舞台として2026年よりスペインGPを開催する首都マドリードの新たな市街地サーキットが「Madring(マドリング)」と命名された。
運営側によると、この名称は「マドリード」と「リング(サーキット)」を組み合わせたもので、国際的に認知されやすく、翻訳不要のシンプルな名称を意識したという。
オーストリアの「レッドブル・リンク」やハンガリーの「ハンガロ・リンク」などと同様に、地域名と”リンク”する形で地域とサーキットのアイデンティティを確立する狙いがある。
Courtesy Of IFEMA MADRID
スペイン・マドリードに新設されるF1サーキット「Madring(マドリング)」のロゴ水平版
「マドリング」はどんなサーキット?
マドリングは、市内のIFEMA展示会場エリアに設けられる全長5.474km、コーナー数20、予選ラップタイム1分32秒をターゲットとする半ストリート・サーキット。総工費は約5億ユーロ(約800億円)と伝えられており、現在、建設工事が進められている。
市街地コースとは言え、公道が使用されるのは1.5kmのみで、残りの部分は専用設計のレーストラックとして整備される。設計を手掛けるのは、オランダのザントフォールトやマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットの設計にも関与したイタリアのドローモ社だ。
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マドリード市街地コース(F1スペインGP)のコースレイアウト図、2023年非最終案
マドリングは、2026年から2035年までの10年間、F1スペインGPの開催契約を締結しており、モータースポーツの新たな世界的拠点となることを目指している。マドリード近郊で最後にF1レースが開催されたのは、1981年、同市郊外のハラマ・サーキットだ。
バルセロナからマドリードへ、スペインGPの変遷
スペインGPは長年にわたりバルセロナのカタロニア・サーキットで開催されてきたが、マドリングの誕生により、新たなステージへと移行することになる。カタロニア・サーキットは1991年以来、スペインGPの開催地として定着してきたが、2026年以降はその座をマドリードに譲ることとなる。
ただし、バルセロナの契約は2026年まで残っているため、この年はスペイン国内で2つのF1グランプリが開催される可能性もある。