イモラ・サーキットのピットでピレリ製ミディアムタイヤを運ぶマクラーレンのメカニック、2021年4月17日F1エミリア・ロマーニャにて

F1、8年間に渡る伝統の予選タイヤルールを改訂…2022年より

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2022年シーズンのF1スポーティング・レギュレーションの第4版が2月18日に発行され、予選Q3進出者に対してQ2タイヤを履いて決勝のスターティンググリッドにつく事を定めた条項の撤廃が改めて確認された。

従来、予選最終ラウンドのQ3に進出したドライバーは、Q2で自己ベストを記録した際に履いていた中古タイヤを履いてレースをスタートしなければならなかった。

これはトップ10グリッドのドライバーを相対的に不利な状況とし、下位グリッドのドライバーに対して戦略的アドバンテージを与える事でショーを改善しようとの目的で2014年に導入された条項だ。

だが結局のところ、トップチームはこれを見越して硬めのタイヤで楽にQ2を突破する程の競争力を発揮し続け、逆にタイトなミッドフィールドでトップを争うチームがより下位のチームに対して不利な状況に置かれるという、意図せぬ状況が生まれた。

また、昨年導入されたスプリントフォーマットが適用される週末においては、全車が自由にスタートタイヤを選択できるなど、8年前に考案された本規定の存在価値は更に揺らぐ事となった。

Q2タイヤ規定の撤廃については以前より暫定版競技規定の中で記されていたものの、テクニカル・レギュレーションが頻繁に更新される中、競技規定に関しては昨年4月30日以降、一度もアップデートが行われず、実際に廃止されるのか否かについては不透明な状況が続いていた。

だが、2月18日に約10ヶ月ぶりに改訂版が発行され、その中で改めて同規定が取り除かれた事が確認された。バーレーンでの開幕までに更なる変更が行われる可能性は否定できないが、2022年シーズンは予選順位に関わらず、全てのドライバーが自由にスタートタイヤを選択する事になりそうだ。