2018年F1中国GP決勝レースが行われた上海インターナショナル・サーキット
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中国での市場開拓に本腰入れるF1、現地オフィス開設を計画。一方の日本は来季以降の開催見通し立たず

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リバティ・メディア率いるフォーミュラ1は、本腰を入れて中国での市場開拓に乗り出すようだ。F1の戦略ディレクターを務めるヤス・ガンガクマランが明らかにしたところによれば、F1は中国に現地オフィスを設立する計画があるという。

「現在我々は市場拡大の可能性に溢れる中国との更なる連携を模索しています」とガンガクマラン。「家族向けのイベントを増やす事や、若者や女性をF1に引き込むべく中国にオフィスを構える事などを検討しています」

F1は先月21日、中国中央電視台(CCTV)との間で新たな長期契約を締結した事を発表。開幕オーストラリアGPから始まる2018年シーズンの各グランプリの予選及び決勝レースの放映が決定した。2004年にF1初開催を迎えた中国GPは、以降毎年、上海市に位置する上海インターナショナル・サーキットでグランプリを開催しており、2020年までの契約が締結されている。

当初は観客数もまばらであったが、4月15日に行われた今年の中国GP決勝レースでは、2万9000人収容のグランドスタンドの殆どがファンで埋め尽くされた。関心の高まりはドライバーからも一目瞭然であったようで、マクラーレンのフェルナンド・アロンソは「過去数年よりもグランドスタンドに多くのファンが詰めかけてくれてたみたいで嬉しい」と語った。

隣国でのF1熱が高まる一方、日本におけるF1人気は低迷の一途を辿っている。鈴鹿サーキットで行われた昨年の日本GPの来場者数はのべ13万7,000人に留まり、過去最低を記録した2016年を8,000人下回った。世界で10番目に多い人口を誇る日本だが、テレビ視聴者数では世界上位20カ国に含まれず、年々関心が低下している。

鈴鹿でのF1開催契約は今年2018年で満了を迎えるが、更新に向けた交渉は難航しているとされ、来年以降の開催の目処は立っていない。鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド同様に、リバティ・メディア側も開催に積極的な姿勢を示しているとされるが、金額の面での折り合いがつかないようで合意には至っていない。

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