
F1中国GP決勝直前情報: タイヤ戦略考と天気、ペナ適用後のグリッド―勝負の鍵は?
日本時間3月23日(日)16時にスタートを迎える2025年F1第2戦中国GPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、予想されるタイヤ戦略と気象条件について見ていこう。
スターティンググリッド―ペナルティなしで予選結果通りの並びに
今週末は幾つかの審議が行われたが、グリッドに影響を及ぼすペナルティはなかった。ただ、リアム・ローソン(レッドブル)がパルクフェルメ下でサスペンションのセットアップを変更したため、ピットレーンスタートを命じられた。
これによりグリッドに変更が加えられたが、ローソンは予選最下位であるため、19番グリッドまでの並びに相違はない。
ポールポジションに着くのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)。最前列2番グリッドにはジョージ・ラッセル(メルセデス)が並ぶ。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | O.ピアストリ | マクラーレン | 1(-) |
2 | G.ラッセル | メルセデス | 2(-) |
3 | L.ノリス | マクラーレン | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 4(-) |
5 | L.ハミルトン | フェラーリ | 5(-) |
6 | C.ルクレール | フェラーリ | 6(-) |
7 | I.ハジャー | レーシングブルズ | 7(-) |
8 | A.K.アントネッリ | メルセデス | 8(-) |
9 | 角田裕毅 | レーシングブルズ | 9(-) |
10 | A.アルボン | ウィリアムズ | 10(-) |
11 | E.オコン | ハース | 11(-) |
12 | N.ヒュルケンベルグ | ザウバー | 12(-) |
13 | F.アロンソ | アストンマーチン | 13(-) |
14 | L.ストロール | アストンマーチン | 14(-) |
15 | C.サインツ | ウィリアムズ | 15(-) |
16 | P.ガスリー | アルピーヌ | 16(-) |
17 | O.ベアマン | ハース | 17(-) |
18 | J.ドゥーハン | アルピーヌ | 18(-) |
19 | G.ボルトレート | ザウバー | 19(-) |
PL | L.ローソン | レッドブル | 20(-) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定される最速タイヤ戦略は? 鍵を握るのはグレイニング管理
スプリントでは全車が中古のミディアムをスタートタイヤに選んだ。19周のレースでは、グレイニングのマネジメントが鍵となり、各チームは得られたデータを基に予選に向けてセットアップを変更した。
この変更が決勝におけるタイヤの挙動にどう影響するかが注目されるが、いずれにせよ、深刻なデグラデーション(性能劣化)と、昨年を上回る気温を踏まえると、マルチストップ戦略は避けられない情勢だ。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「ミディアムとハードを組み合わせた2ストップが基本戦略になると考えられる。今季のC4(ソフト)は性能面ではミディアムに近いが、レースには適していないと判断している」と語る。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2025年F1中国GPタイヤ戦略表、2025年3月23日(上海インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2025年F1中国GPドライバー別温存タイヤセット
各ドライバーは2セットのハードタイヤを温存しており、これがレース戦略の軸となる見込みだ。想定される有力なプランは「ミディアム→ハード→ハード」で、ピットインの目安は1回目が14〜20周目、2回目が32〜38周目と予想されている。
ただし、今季のハードタイヤ(C2)は従来よりもC3に近い特性へと調整されており、まだ実戦で使用された例がないため、戦略は実際の展開に応じて柔軟に変化する可能性が高い。
燃料を多く積んだレース序盤にミディアムを使うリスクは大きく、「ハード→ハード→ミディアム」とつなぐ戦略を採るチームもあると見られる。
ハードタイヤでのスタートには、低グリップやセーフティーカー導入時の対応力の低さといった欠点があるが、一発逆転を狙う後方グリッドのドライバーが選択する可能性はある。
気になる天気、高い路面温度と風に要注意
レース終盤にわずかな降雨の可能性はあるものの、現時点で天候はおおむね良好と予想されている。ただし、週末を通じて気温は上昇傾向にあり、決勝時の気温は28℃前後になる見込みだ。
全面舗装されたサーキットの路面は色が濃く、太陽光を吸収しやすいため、路面温度はさらに高温となる可能性がある。また、週末を通じて何度か見られたように、風の影響も無視できない要素となる。