
F1タイGP実現へ前進か、首相との会談を経て「印象的な計画」とドメニカリCEO評価
F1の最高経営責任者(CEO)であるステファノ・ドメニカリは、タイ・バンコクでのグランプリ開催について同国の首相と会談し、「印象的な計画」と評価した。ドメニカリは2025年開幕オーストラリアGP後にタイを訪れ、政府関係者と共にF1誘致に関する話し合いを行った。
会談後、ドメニカリは「タイのペートンタン・シナワット首相とそのチームと話し合い、バンコクGPの印象的な計画について前向きな意見を交換できた。今後数週間、数か月にわたり協議を続けるのを楽しみにしている」とコメントした。
ドメニカリは訪問に先立ち、今回の会談の目的について「タイ政府がF1開催にどの程度関心を持っているのかを確認すること」だと説明していた。
F1のアジア市場拡大―タイGPの重要性
ドメニカリはF1の世界的な拡大を推進しており、これまでに中東やアメリカでの開催を強化。現在、F1はアメリカ国内で年間3つのグランプリを開催するまでに至っている。
次のターゲットとして、F1は南アフリカやルワンダのほか、アジア市場のさらなる拡大を視野に入れており、タイ以外には韓国も候補地として取り沙汰されている。
バンコクGPの実現はF1にとって大きな意味を持つ。現在、F1グリッドにはアレックス・アルボンというタイ人ドライバーが参戦しており、現地ファンの関心は高い。さらに、レッドブルの親会社であるRed Bull GmbHの株式51%を保有するタイの大富豪チャルーム・ユーウィッタヤー氏の存在も、タイGP実現の後押しとなる可能性がある。
タイGPの開催地とコース計画
現在、タイにはMotoGPの開催地として有名なチャーン・インターナショナル・サーキットがあるものの、F1開催には適していないと考えられている。そのため、バンコクに新たな常設サーキットを建設する計画が浮上している。
F1はすでに24戦の年間カレンダーを組んでおり、新たなレースを追加するためには既存の開催地を外す必要がある。この問題に対して、F1は2026年シーズンより新たな「ローテーション制」を導入。一部の欧州サーキットがシーズンごとに交互開催されることが決定している。