F1の商業部門を率いてきたショーン・ブラッチズ
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F1、商業部門率いるショーン・ブラッチズの退任を発表…今後は顧問として収益拡大を支援

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F1は1月31日付けで、商業部門を率いるショーン・ブラッチズが同職を退く事を発表した。今後は家族と共にアメリカを生活の拠点としながら、顧問という形で引きF1事業を支援する。ショーン・ブラッチズの退任に伴い、商業部門は実質的に、F1の会長兼CEOであるチェイス・ケアリーが監督する事になる。

ドイツ・ベルリン生まれの60歳は、リバティ・メディアが2017年1月にF1を買収した際に、バーニー・エクレストン体制下では存在しなかった同職に就任。以降3年間に渡って、F1を単なるモータースポーツ企業から世界有数のメディアおよびエンターテインメント・ブランドへと変革すべく、専門チームを結成し、これを率いてきた。

ショーン・ブラッチズの在職期間中、F1はスポンサーポートフォリオを拡大しながら、カレンダーに2つの新しいレースを追加する事に成功。商業部門はデジタルプラットフォームの拡充にも力を注ぎ、ポッドキャストの配信やオンライン・ギャンブルへの進出、F1 TVのリリースなど、新しい試みによって経営指標を改善し続けてきた。

またこれに留まらず、Netflixとの提携によって制作されたドキュメンタリー「Drive to Survive」や、世界中の主要都市でのデモラン・イベント、さらにはEスポーツ・シリーズの設立、マサチューセッツ工科大学(MIT)とのコラボレーションによる「エクストリーム・イノベーション・シリーズ」の立ち上げなど、ブランド拡大に尽力した。

チェイス・ケアリーCEOはショーン・ブラッチズの退任について「F1チームを代表し、彼のリーダーシップ、情熱、専門知識に感謝したい。ショーンはF1の商業面を変革してくれた。その成果は我々のビジネスの成長と勢いが示すところだ。ショーンが今後も引き続き、アメリカの自宅でアドバイザーを務めてくれる事を嬉しく思っている。彼は今後もF1ファミリーの一員だ」と述べた。