映画『F1:The Movie(邦題:F1/エフワン)』主演俳優のブラッド・ピット、2025年6月にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われたマクラーレンMCL60のテストにて
Courtesy Of McLaren

時速317kmの陶酔―ブラッド・ピット、大興奮の”F1初走行”を振り返る~マクラーレンMCL60でCOTAを疾走

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映画『F1:The Movie(邦題:F1/エフワン)』で主演を務める俳優ブラッド・ピットが、実際のF1マシンに乗り込む初の機会を得た。ピットは2023年型マクラーレンMCL60を駆り、アメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を走行した。

TPC(旧型車テスト)を活用した今回の走行は、マクラーレンのCEOザク・ブラウンの提案によって実現した。ピットは事前に、英国ウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センターでシート合わせとシミュレーター訓練を受け、実際の走行に臨んだ。

最高時速197マイル「200に届かず悔しい」

COTAでのテスト走行でピットが記録した最高速度は時速197マイル(約317キロ)に達した。目標としていた200マイルにはわずか3マイル届かなかったが、俳優としては異例の体験だったと言える。

「時速197マイルまで出せた。本当は200を目指していたから、3マイル足りなかったのが少し悔しい」と、ピットはポッドキャスト『Beyond the Grid』の中で振り返った。

「これまでの人生で、あれほど“今この瞬間”に集中した感覚はなかった。とにかく全神経が研ぎ澄まされている感じで、それでいて緊張していたわけじゃなく、むしろ最高潮にある、みたいな感じだった。あれは本当に特別な感覚だった」

「“ダウンフォースの感覚”ってなかなか説明しづらいんだ。ジェットコースターとも違う。自分の下に支点を感じるような……あれに近いのは、僕が昔乗った曲芸飛行機くらいかな。それでもF1の方が上だ。全く新しい感覚で、今もまだ興奮が冷めないよ」

再挑戦への意欲「タイムを更新したい!」

ピットが今回ステアリングを握ったMCL60は、2023年シーズンにランド・ノリスとオスカー・ピアストリが実戦で使用した“本物のF1マシン”だ。

映画撮影でも実際にマシンをドライブしているが、劇中で使用されているのはF2マシンをベースに改造を施した特製車両であり、F1マシンのコクピットに収まるのは今回が初。ピットは、加速、ブレーキング、そしてコーナリング性能の圧倒的な違いを肌で感じたという。

「違いはとんでもなくデカい。とにかく全部が“もっと”って感じなんだ。ブレーキも、スピードも、コーナリングも全部ね。だから、また走りたい。もっと速く、タイムを更新したいんだ!」とピットは語った。

映画『F1/エフワン』は、6月27日より全国の劇場で公開される。F1に参戦する全チームの協力のもと、角田裕毅を含む現役ドライバーたちも多数カメオ出演している。