水しぶきを上げながら雨のイモラ・サーキットを走行するレッドブルのマックス・フェルスタッペン、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGP FP1
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5度の赤旗、フェルスタッペンが雨のイモラで今季初ポール!角田裕毅は無念 / F1エミリア・ロマーニャGP《予選》結果とダイジェスト

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2022 FIA-F1世界選手権4戦エミリア・ロマーニャGPの公式予選が4月23日(金)にイモラ・サーキットで行われ、5度の赤旗が振られる荒れた展開の中、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが通算14回目、今季初のポールポジションを獲得した。

軽量化に加えてフロア前方のキールにウィングレットを追加するなど、レッドブルはRB18にアップグレードを投入。フェルスタッペン駆る1号車はインターミディエイトタイヤで1分27秒999の最速を刻み、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.779秒差で2番手に抑えた。

フルウェット・タイヤを履いてイモラ・サーキットを走るスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

フルウェット・タイヤを履いてイモラ・サーキットを走るスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGP

ランド・ノリス(マクラーレン)はグラベルの餌食となり身動きが取れずにQ3赤旗終了の原因を作ったが、直前に残していたタイムで3番グリッドを手にする事となった。

もう1台のR18をドライブしたセルジオ・ペレスは7番手とミッドフィールドに埋もれ、4番手にはケビン・マグヌッセン(ハース)、5番手にはフェルナンド・アロンソが続き、6番手にはダニエル・リカルド(マクラーレン)が並んだ。

フロア、エンジンカバー、リアサスペンションがアップデートされたアルファロメオC42を駆るバルテリ・ボッタスは、トラブルを抱えてQ3でクルマを停めながらも、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を抑えて8番手につけた。

カルロス・サインツはQ2でクラッシュを喫して早々に予選を終える事となったが、記録済みのタイムでQ3に駒を進めて10番グリッドを手にした。

フェラーリと並び、母国レースを迎えるアルファタウリは、AT03に大掛かりなアップグレードを持ち込みながらも角田裕毅が1000分の4秒、ピエール・ガスリーが0.262秒届かず、各々16・17番手でダブルQ1敗退を喫する失望の結果に終わった。

メルセデス勢はジョージ・ラッセルが11番手、ルイス・ハミルトンが13番手と揃ってQ2敗退を喫した。シルバーアローの2台ともがQ3に進めなかったのは2012年の日本GP以来の事で、V6ハイブリッド時代初めての事だった。

予選2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手のランド・ノリス(マクラーレン)、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

予選2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手のランド・ノリス(マクラーレン)、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGP予選

土曜のスプリントのスタートグリッドを決する争いは気温12.7℃、路面15℃、湿度84%、気圧997.4hPaのドライコンディションでスタートしたが、Q2以降は路面が雨に濡れた。

そのため公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドをチョイスしたものの、予選の主役は雨用タイヤとなった。

予選Q1:アルファタウリW敗退

コースインの際には多くがインターミディエイトを装着するも、雨のFP1を経てレーシングラインの大部分は乾いており、全車アウトラップを終えるとすぐにソフトタイヤに履き替えた。

時間の経過とともに路面状況は飛躍的に改善していき、チェッカーフラッグが振られてなお、タイムシートが慌ただしく入れ替わる展開となった。

開始早々にアレックス・アルボン駆る23号車ウィリアムズFW44の右リアブレーキから炎が上がり爆発。デブリ回収のためにセッションは赤旗中断となり、時計の針は12分6秒で止められた。

アルボンは自走してピットに戻ったが再度コースに出る事は叶わず、ノータイムに終わった。ウィリアムズはバーレーンテスト中にもニコラス・ラティフィが同様のトラブルに見舞われていた。

そのラティフィはハーフスピンを喫して黄旗の原因となるなど苦戦。タイムを伸ばす事はできず18番手でノックアウトした。

メルセデスは終始、ノックアウト・ゾーンに沈む際どい状況に置かれていたが、アルファタウリ勢のダブルQ1敗退に救われる格好となり、ハミルトンは15番手ギリギリで突破を果たした。

イモラ・サーキットを走行するアルファタウリのピエール・ガスリーと角田裕毅、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

イモラ・サーキットを走行するアルファタウリのピエール・ガスリーと角田裕毅、2022年4月22日F1エミリア・ロマーニャGP

アルピーヌはアロンソが9番手で突破した一方、エステバン・オコンは19番手最下位で予選を終えた。チームによるとギアボックスに問題が生じた可能性があるという。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.796 10
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:19.295 + 0.499 11
3 カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.305 + 0.509 10
4 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:19.730 + 0.934 13
5 セルジオ・ペレス レッドブル 1:19.773 + 0.977 12
6 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:19.980 + 1.184 11
7 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.147 + 1.351 11
8 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:20.168 + 1.372 10
9 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:20.198 + 1.402 12
10 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:20.342 + 1.546 11
11 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:20.364 + 1.568 12
12 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.383 + 1.587 13
13 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:20.419 + 1.623 13
14 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.422 + 1.626 13
15 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.470 + 1.674 12
16 角田裕毅 アルファタウリ 1:20.474 + 1.678 11
17 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:20.732 + 1.936 11
18 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.971 + 3.175 13
19 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:22.338 + 3.542 9

予選Q2:サインツがクラッシュ

Q2開始を前に雨雲が付近に到来。降雨が予想された事から、各車グリーンフラッグと同時にフルアタックの連続周回を重ねた。

その最中、2番手タイムを記録していたサインツが最終コーナーを前に縁石を使い過ぎ、ターン18のグラベルを乗り越えて車体左側からバリアに激突。残り10分42秒で赤旗が振られた。これでフェラーリによるフロントロー独占の可能性が潰えた。

セッションが中断している最中に雨が落ち始めた。ドライタイムを更新する事などできようはずもなく、再開後に計測ラップに出るマシンはなかった。

ただ、突破を確保していたベッテル、ルクレール、ペレス、アロンソ、ボッタス、ノリスはQ3の計測ラップを見据え、インターミディエイトを履いて最終盤にコースへと向かっていった。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:18.793 14
2 カルロス・サインツ フェラーリ 1:18.990 + 0.197 13
3 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:19.294 + 0.501 15
4 セルジオ・ペレス レッドブル 1:19.296 + 0.503 17
5 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.584 + 0.791 14
6 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:19.595 + 0.802 18
7 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:19.902 + 1.109 14
8 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:19.957 + 1.164 18
9 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:20.031 + 1.238 14
10 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:20.192 + 1.399 18
11 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.757 + 1.964 16
12 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.916 + 2.123 16
13 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:21.138 + 2.345 15
14 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:21.434 + 2.641 16
15 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:28.119 + 9.326 14

予選Q3:ノリスがグラベルに、赤旗終了

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、全車インターミディエイトを履いてコースインするも、マグヌッセンがコース外に飛び出し、残り8分51秒で赤旗が振られた。

ただし壁に衝突したわけではなく、マグヌッセンはグラベルの餌食とならないよう、バックギアを使いながら慎重にクルマを操作。何とか無事にピットに戻った。

全車ノータイムという白紙状態でグリーンフラッグが振られると、アロンソを先頭に各車一斉にコースへと向かっていった。

フェルスタッペンはセクター1で全体ベストを刻みながらも、ターン17の脇にボッタスがクルマを停めた事で黄旗が振られバックオフ。ただ、それでもラップを終えると暫定ポールに立った。レースコントロールはその後、残り2分58秒というタイミングで赤旗に切り替えた。

セッション再開まで3分を切ると、各車我先にとピットレーンに向かった。フェルスタッペンが僅差でルクレールを押さえて先頭を確保した。

グリーンフラッグが振られ、フェルスタッペンが先頭で計測ナップに入った直後、今度はノリスが魔のターン12でグラベルの餌食となり、残り38秒で5度目のレッドフラッグ。これによりフェルスタッペンがポールポジションを獲得した。

2022年F1エミリア・ロマーニャ・グランプリのFP2は日本時間4月24日(土)19時30分に開始される。

2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:19.295 1:18.793 1:27.999 22
2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.796 1:19.584 1:28.778 22
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:20.168 1:19.294 1:29.131 22
4 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.147 1:19.902 1:29.164 21
5 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:20.198 1:19.595 1:29.202 26
6 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:19.980 1:20.031 1:29.742 21
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル 1:19.773 1:19.296 1:29.808 25
8 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:20.419 1:20.192 1:30.439 23
9 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:20.364 1:19.957 1:31.062 25
10 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.305 1:18.990 13
11 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.383 1:20.757 16
12 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.422 1:20.916 16
13 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.470 1:21.138 15
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:19.730 1:21.434 16
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:20.342 1:28.119 14
16 22 角田裕毅 アルファタウリ 1:20.474 11
17 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:20.732 11
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.971 13
19 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:22.338 9
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス DNF 3

コンディション

天気
気温12.7℃
路面温度15℃

セッション概要

グランプリ名 F1エミリア・ロマーニャGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 イモラ・サーキット
設立 1953年
全長 4909m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1エミリア・ロマーニャGP特集