5度の赤旗、フェルスタッペンが雨のイモラで今季初ポール!角田裕毅は無念 / F1エミリア・ロマーニャGP《予選》結果とダイジェスト
2022 FIA-F1世界選手権4戦エミリア・ロマーニャGPの公式予選が4月23日(金)にイモラ・サーキットで行われ、5度の赤旗が振られる荒れた展開の中、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが通算14回目、今季初のポールポジションを獲得した。
軽量化に加えてフロア前方のキールにウィングレットを追加するなど、レッドブルはRB18にアップグレードを投入。フェルスタッペン駆る1号車はインターミディエイトタイヤで1分27秒999の最速を刻み、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.779秒差で2番手に抑えた。
ランド・ノリス(マクラーレン)はグラベルの餌食となり身動きが取れずにQ3赤旗終了の原因を作ったが、直前に残していたタイムで3番グリッドを手にする事となった。
もう1台のR18をドライブしたセルジオ・ペレスは7番手とミッドフィールドに埋もれ、4番手にはケビン・マグヌッセン(ハース)、5番手にはフェルナンド・アロンソが続き、6番手にはダニエル・リカルド(マクラーレン)が並んだ。
フロア、エンジンカバー、リアサスペンションがアップデートされたアルファロメオC42を駆るバルテリ・ボッタスは、トラブルを抱えてQ3でクルマを停めながらも、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を抑えて8番手につけた。
カルロス・サインツはQ2でクラッシュを喫して早々に予選を終える事となったが、記録済みのタイムでQ3に駒を進めて10番グリッドを手にした。
フェラーリと並び、母国レースを迎えるアルファタウリは、AT03に大掛かりなアップグレードを持ち込みながらも角田裕毅が1000分の4秒、ピエール・ガスリーが0.262秒届かず、各々16・17番手でダブルQ1敗退を喫する失望の結果に終わった。
メルセデス勢はジョージ・ラッセルが11番手、ルイス・ハミルトンが13番手と揃ってQ2敗退を喫した。シルバーアローの2台ともがQ3に進めなかったのは2012年の日本GP以来の事で、V6ハイブリッド時代初めての事だった。
土曜のスプリントのスタートグリッドを決する争いは気温12.7℃、路面15℃、湿度84%、気圧997.4hPaのドライコンディションでスタートしたが、Q2以降は路面が雨に濡れた。
そのため公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドをチョイスしたものの、予選の主役は雨用タイヤとなった。
予選Q1:アルファタウリW敗退
コースインの際には多くがインターミディエイトを装着するも、雨のFP1を経てレーシングラインの大部分は乾いており、全車アウトラップを終えるとすぐにソフトタイヤに履き替えた。
時間の経過とともに路面状況は飛躍的に改善していき、チェッカーフラッグが振られてなお、タイムシートが慌ただしく入れ替わる展開となった。
開始早々にアレックス・アルボン駆る23号車ウィリアムズFW44の右リアブレーキから炎が上がり爆発。デブリ回収のためにセッションは赤旗中断となり、時計の針は12分6秒で止められた。
アルボンは自走してピットに戻ったが再度コースに出る事は叶わず、ノータイムに終わった。ウィリアムズはバーレーンテスト中にもニコラス・ラティフィが同様のトラブルに見舞われていた。
🚩 RED FLAG 🚩
Debris scatters across the track as Alex Albon's rear brakes overheat. He's limped back to the pits and the fire is out. #ImolaGP #F1 pic.twitter.com/WujhKc6pp9
— Formula 1 (@F1) April 22, 2022
Williams engineers inspect the damage to Albon's car – he won't be taking any further part in the session #ImolaGP #F1 pic.twitter.com/Di0wlyC9lm
— Formula 1 (@F1) April 22, 2022
そのラティフィはハーフスピンを喫して黄旗の原因となるなど苦戦。タイムを伸ばす事はできず18番手でノックアウトした。
メルセデスは終始、ノックアウト・ゾーンに沈む際どい状況に置かれていたが、アルファタウリ勢のダブルQ1敗退に救われる格好となり、ハミルトンは15番手ギリギリで突破を果たした。
アルピーヌはアロンソが9番手で突破した一方、エステバン・オコンは19番手最下位で予選を終えた。チームによるとギアボックスに問題が生じた可能性があるという。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.796 | 10 | |
2 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:19.295 | + 0.499 | 11 |
3 | サインツ | フェラーリ | 1:19.305 | + 0.509 | 10 |
4 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:19.730 | + 0.934 | 13 |
5 | ペレス | レッドブル | 1:19.773 | + 0.977 | 12 |
6 | リカルド | マクラーレン | 1:19.980 | + 1.184 | 11 |
7 | マグヌッセン | ハース | 1:20.147 | + 1.351 | 11 |
8 | ノリス | マクラーレン | 1:20.168 | + 1.372 | 10 |
9 | アロンソ | アルピーヌ | 1:20.198 | + 1.402 | 12 |
10 | ストロール | アストンマーチン | 1:20.342 | + 1.546 | 11 |
11 | ベッテル | アストンマーチン | 1:20.364 | + 1.568 | 12 |
12 | ラッセル | メルセデス | 1:20.383 | + 1.587 | 13 |
13 | ボッタス | アルファロメオ | 1:20.419 | + 1.623 | 13 |
14 | シューマッハ | ハース | 1:20.422 | + 1.626 | 13 |
15 | ハミルトン | メルセデス | 1:20.470 | + 1.674 | 12 |
16 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:20.474 | + 1.678 | 11 |
17 | ガスリー | アルファタウリ | 1:20.732 | + 1.936 | 11 |
18 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:21.971 | + 3.175 | 13 |
19 | オコン | アルピーヌ | 1:22.338 | + 3.542 | 9 |
予選Q2:サインツがクラッシュ
Q2開始を前に雨雲が付近に到来。降雨が予想された事から、各車グリーンフラッグと同時にフルアタックの連続周回を重ねた。
その最中、2番手タイムを記録していたサインツが最終コーナーを前に縁石を使い過ぎ、ターン18のグラベルを乗り越えて車体左側からバリアに激突。残り10分42秒で赤旗が振られた。これでフェラーリによるフロントロー独占の可能性が潰えた。
🚩 RED FLAG 🚩
Sainz goes into the barriers and is out of qualifying
Carlos is out of the car and appears to be ok 👍#ImolaGP #F1 pic.twitter.com/UOcKHT5NvI
— Formula 1 (@F1) April 22, 2022
セッションが中断している最中に雨が落ち始めた。ドライタイムを更新する事などできようはずもなく、再開後に計測ラップに出るマシンはなかった。
ただ、突破を確保していたベッテル、ルクレール、ペレス、アロンソ、ボッタス、ノリスはQ3の計測ラップを見据え、インターミディエイトを履いて最終盤にコースへと向かっていった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.793 | 14 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:18.990 | + 0.197 | 13 |
3 | ノリス | マクラーレン | 1:19.294 | + 0.501 | 15 |
4 | ペレス | レッドブル | 1:19.296 | + 0.503 | 17 |
5 | ルクレール | フェラーリ | 1:19.584 | + 0.791 | 14 |
6 | アロンソ | アルピーヌ | 1:19.595 | + 0.802 | 18 |
7 | マグヌッセン | ハース | 1:19.902 | + 1.109 | 14 |
8 | ベッテル | アストンマーチン | 1:19.957 | + 1.164 | 18 |
9 | リカルド | マクラーレン | 1:20.031 | + 1.238 | 14 |
10 | ボッタス | アルファロメオ | 1:20.192 | + 1.399 | 18 |
11 | ラッセル | メルセデス | 1:20.757 | + 1.964 | 16 |
12 | シューマッハ | ハース | 1:20.916 | + 2.123 | 16 |
13 | ハミルトン | メルセデス | 1:21.138 | + 2.345 | 15 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:21.434 | + 2.641 | 16 |
15 | ストロール | アストンマーチン | 1:28.119 | + 9.326 | 14 |
予選Q3:ノリスがグラベルに、赤旗終了
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、全車インターミディエイトを履いてコースインするも、マグヌッセンがコース外に飛び出し、残り8分51秒で赤旗が振られた。
ただし壁に衝突したわけではなく、マグヌッセンはグラベルの餌食とならないよう、バックギアを使いながら慎重にクルマを操作。何とか無事にピットに戻った。
And it's another Red Flag 🚩
Magnussen has gone off #ImolaGP #F1 pic.twitter.com/cZ5r2kuygG
— Formula 1 (@F1) April 22, 2022
全車ノータイムという白紙状態でグリーンフラッグが振られると、アロンソを先頭に各車一斉にコースへと向かっていった。
フェルスタッペンはセクター1で全体ベストを刻みながらも、ターン17の脇にボッタスがクルマを停めた事で黄旗が振られバックオフ。ただ、それでもラップを終えると暫定ポールに立った。レースコントロールはその後、残り2分58秒というタイミングで赤旗に切り替えた。
🚩 RED FLAG (again!) 🚩
This time it's Bottas who has slithered off track #ImolaGP #F1 pic.twitter.com/W76s89hbCi
— Formula 1 (@F1) April 22, 2022
セッション再開まで3分を切ると、各車我先にとピットレーンに向かった。フェルスタッペンが僅差でルクレールを押さえて先頭を確保した。
グリーンフラッグが振られ、フェルスタッペンが先頭で計測ナップに入った直後、今度はノリスが魔のターン12でグラベルの餌食となり、残り38秒で5度目のレッドフラッグ。これによりフェルスタッペンがポールポジションを獲得した。
2022年F1エミリア・ロマーニャ・グランプリのFP2は日本時間4月24日(土)19時30分に開始される。
2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:19.295 | 1:18.793 | 1:27.999 | 22 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.796 | 1:19.584 | 1:28.778 | 22 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:20.168 | 1:19.294 | 1:29.131 | 22 |
4 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:20.147 | 1:19.902 | 1:29.164 | 21 |
5 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:20.198 | 1:19.595 | 1:29.202 | 26 |
6 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:19.980 | 1:20.031 | 1:29.742 | 21 |
7 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:19.773 | 1:19.296 | 1:29.808 | 25 |
8 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:20.419 | 1:20.192 | 1:30.439 | 23 |
9 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:20.364 | 1:19.957 | 1:31.062 | 25 |
10 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:19.305 | 1:18.990 | 13 | |
11 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:20.383 | 1:20.757 | 16 | |
12 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:20.422 | 1:20.916 | 16 | |
13 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:20.470 | 1:21.138 | 15 | |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:19.730 | 1:21.434 | 16 | |
15 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:20.342 | 1:28.119 | 14 | |
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:20.474 | 11 | ||
17 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:20.732 | 11 | ||
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:21.971 | 13 | ||
19 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:22.338 | 9 | ||
NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | DNF | 3 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 12.7℃ |
路面温度 | 15℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1エミリア・ロマーニャGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | イモラ・サーキット |
---|---|
設立 | 1953年 |
全長 | 4909m |
コーナー数 | 21 |
周回方向 | 反時計回り |