ダニエル・リカルド、F1サバティカルとアルピーヌ復帰を視野…後任候補のピアストリとウェバーを語る
ダニエル・リカルド(マクラーレン)は、あくまでも興味があるのはF1のみであるとして、2023年に向けて古巣アルピーヌ(旧ルノー)への復帰やサバティカル(長期休暇)を視野に入れている事を認めた。
悪戦苦闘から脱せない33歳のオーストラリア人ドライバーは2023年末まで有効のマクラーレンとの3年契約をチームから促される形で1年早く打ち切る決断を下し、サマーブレイク中に突如フリーエージェントとなった。
現在、リカルドの選択肢となり得る2023年のF1シートは5席が残っているものの、トップチームは全て埋まっている。余っているのはいずれもミッドフィールダーで、競争力あるオプションは限られている。
F1ベルギーGPを前に行われた木曜記者会見の中でリカルドは「現段階で興味があるのはF1だけだ」として、徹底的にキャリア続行を目指していくとした上で、「それが理にかなっている」のであればサバティカルも検討すると認めた。
「F1は僕が愛して止まないスポーツなんだ。もし何らかのレースをするのであれば、F1こそが自分自身を見出せる場だと思ってる」
「でも仮に物事がハマらなかったり、来年に向けて意味をなさなかったり、あるいはリセットや再評価という点で正しいことであるならば、喜んでそうするつもりだ」
「僕は今でもこのスポーツを愛しているし、今回のような逆境と呼ぶべき状況にあっても、自分に対する自信を失ってはいないと思ってる」
「確かに厳しい週末もあったし、感情を表に出さずにはいられないこともあるけど、やっぱり(F1が)好きなんだ」
マクラーレンのザク・ブラウンCEOはインディカー・プログラムへの転向オファーを提示した事を認めているが、リカルドにその気はないようだ。
テーブルの上にある選択肢の中で最も競争力が期待できるのはアルピーヌだろう。英国エンストンのチームは契約上の問題でオスカー・ピアストリをマクラーレンに引き抜かれるリスクを抱えており、2023年のシートは現時点で空いているとみなせる状況だ。
Sky F1とのインタビューの中で古巣復帰の可能性について問われたリカルドは「イエスという以外にどう言えばいいのか分からないけど、それが正しい事なのであれば、可能性はあると答えておくよ」と前向きな姿勢を見せた。
リカルドはサマーブレイクの間に「多くの」の電話がかかってきたことを認めつつも「まだ何処ともサインしていないし、現時点で僕はいわゆるフリーだよ」と答えた。
奇しくもマクラーレンがリカルドの後任と見定めているのは同郷の後輩であるピアストリであり、そんなピアストリのマネージャーを務めているのは先輩としてかつてレッドブルで自身の面倒を見てくれたマーク・ウェバーだ。
リカルドは過去数週間の間にピアストリあるいはウェバーからの連絡はなかったと説明した上で「正直に言って、オスカーがどうなるのか僕はまだ知らないんだ」と語った。
また「これは単にビジネスの話であって、マークは兎に角、オスカーのために自分自身の仕事をしているだけだから、個人的には何も思っていない」と述べ、ウェバーに対して悪い感情は抱いていないと主張した。
「オスカーは来年のいずれかのグリッドが保証されているだろうし、僕としては同じオージーとして彼を応援するつもりだ」
今季末でチームを追われる事が確定した状況の中、リカルドはランド・ノリスと共にマクラーレンでシーズンの残り9戦を戦う事になる。