優勝トロフィーを片手に天を仰ぐフェラーリのシャルル・ルクレール、2019年F1ベルギーGP決勝レースにてcopyright Ferrari S.p.A.

シャルル・ルクレール初勝利インタビュー:親友の死、喪失感の中で挑んだレース、F1の安全性、対ベッテル

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ベルギーGPで念願のF1初勝利を挙げたスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが、その前日に事故死した親友のアンソニー・ユベール、喪失感の中で挑んだレース、現在のF1の安全性、そして、チームメイトのセバスチャン・ベッテルについて答えた。

Q:複雑な気持ちだと思いますが、感傷的な週末でのF1初勝利でした

そうだね。子供の頃からの夢が叶った一方で、昨日から本当に辛い状況だった。何よりも僕らは友を失った。僕のF1での最初の勝利を彼に捧げたい。

僕らは共に成長してきた仲だった。僕が初めてレースをした時、アンソニー(ユベール)と一緒だったんだ。エステバン(オコン)もいた。昨日の出来事は残念としか言いようがない。初めてのこの勝利を心から楽しむことは出来ないけど、一生僕の胸に刻まれるのは確かだ。

Q:技術的な側面から今回のレース展開について教えてください

本当に難しいレースだった。終盤に向けてタイヤにかなり苦労していたけど、ブダペスト(ハンガリーGP)の時よりはダイブ楽だった。何とかタイヤマネジメントを頑張ったけど、昨日の段階から予想していたとは言え、メルセデスはかなり速かった。でも、ポールポジションを獲得し優勝できたんだから、その点についてはかなり満足してる。

Q:何度もチャンピオンになったドライバーに勝っての優勝は格別です

そうだね。レース終盤は本当に大変だった。彼(ハミルトン)は本当に素早く追いついてきていたから、かなりのプレッシャーだったけど、最終的に抑え込むことが出来て嬉しいよ。

Q:誰にとっても辛い出来事がありました。この勝利はどのような意味を持ちますか?

昨日あんな事があったわけだから、勝利を楽しむのは難しい。でも、その一方で夢が実現した。子供の頃からF1ドライバーを目指していたわけだけど、昨年その夢が叶って、今年はフェラーリでドライブし、今日始めての勝利を掴む事ができた。

良い一日だったけど、さっきも言ったように、昨日アンソニーを亡くしてしまった。あれは2005年に、僕が初めてフランスのチャンピオンシップに参戦した時の事だ。彼と、エステバン(オコン)、ピエール(ガスリー)、そして僕らは一緒にレースをしていた。

僕らはF1を夢見ていた4人の子供だった。何年も何年もカートで競い合い、切磋琢磨し合った。昨日彼が亡くなってしまった事は、モータースポーツ全体にとってもそうだったけど、僕にとっては本当にショックだったんだ。本当に悲しかったし、前にも言ったように、今日の勝利を心のそこから楽しむなんて出来やしない。

数週間して現実を受け入れられると良いんだけど。

Q:タフなレースだったと思います

ミディアムタイヤのデグラデーションがかなり大きかったから、セバスチャンの後ろでコースに戻った時、彼を捉えられるか全く自信はなかった。でも数ラップを走ったら、彼とのラップタイムに大きな差がある事が分かって、行けるって思えたんだ。

レース終盤はミラーを確認しながら走り、エンジニアから無線でルイスとのギャップを教えてもらっていた。彼は本当に速かった。タイヤに関して言うと、ソフトは感触が良かったんだけど、ミディアムには若干手こずってたんだ。だから僕は自分の仕事に集中することにした。

できるだけ早くクルマを走らせようと試みたけど、ルイスはどんどん近づいてきた。後1周あったら彼を抑えておくのは難しかったと思うけど、最終的にこういう結果になって本当に満足してる。

Q:悲劇的な事故があった直後のレースにどう対処しましたか?

誰にとってもそうだと思うけど、僕にとってはコース上で死亡事故があったその翌日に、同じコースでレースをするのは初めての経験だった。だから、バイザーを閉じて、前日と全く同じスピードで全く同じようにコーナーをドライブするのは、殆ど無理に近い事だったけど、結局のところ、やらなきゃならないのはそういう事だった。今日は自分にできうるベストを尽くそうと頑張った。

Q:次戦は最速のモンツァです。F1の安全に対する取り組みへの評価を聞かせて下さい。

誰もがスポーツの安全性を向上させるために必至に取り組んでいると思うし、その事は常に優先事項であるべきだと思うけど、今後もその危険性がゼロになる事はないと思う。このレベルの速度でレースをしている以上、危険はつきものだからね。

例えばスパに関して言うと、オー・ルージュはウォールがかなり近い場所にあるからかなり危険だ。今後も、他よりもチャレンジングで危険なコーナーというものが存在し続けるだろうけど、全体として言えば、FIAは過去20年間でクルマの安全性を改善するために素晴らしい仕事をしてきたと思う。

Q:チームメイトに先行する成績を残していますが期待以上ですか?

それは難しい質問だね。6レース目以来は予選の調子が良かったと思うけど、これに関してはアプローチを少し変えたからだと思う。レースに関しては過去2戦で苦労しているから、ここでやり方を変えてみたんだ。その成果が出たように思うし、その点は喜ばしい。

Q:既に世界タイトルに挑戦できるだけの実力が備わったと感じている?

チャンピオンシップに挑戦できる状態だと感じられたとするならば、それに足るクルマとチームを手にしたと感じてるって事だ。僕らはメルセデスと比べて少し遅れているから、懸命に努力しなきゃならない。僕としては、学ばなきゃならない事がたくさんある。それは明らかだ。

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