
試される角田裕毅の”リーダーシップ”、豪GPの戦略ミスにどう対処しレーシングブルズを導くのか?
2025年シーズンの初戦は、4位入賞の可能性がありながらも戦略ミスによりポイントを逃す手痛いレースとなった。角田裕毅はチームリーダーとして、この問題とどう向き合い、どう対処するつもりなのか?
予選で堂々の5番グリッドを持ち帰った角田は、開幕オーストラリアGPの決勝レースで終始トップ6を争う好位置につけ、レース終盤まで上位を争っていた。
だが、雨の到来に際してチームからステイアウトを指示が飛んだことで流れが一変した。当時の路面はスリックタイヤで走行できるものではなかった。「計画を変更すべき」との角田からの無線を受け、チームはその後、ピットインを指示した。
だが、コース復帰時には11番手まで後退し、チャンスは完全に潰えた。角田は最終的に12位でフィニッシュし、無念のポイント圏外でクルマを降りた。
急転直下の入賞圏外「本当に悔しい」
レース後に角田は、「今日は本当に悔しいレースでした」と振り返り、無念の思いを明かした。
「特に、最後の15周まで本当に良い位置で走っていて、4番手や5番手を争っていたので…。でも、今回は天候が味方してくれませんでした。もちろん、もっと上手くやれた部分もあったかもしれませんが、不運な展開になってしまいました」
「ピットに入ってコースに戻ったら、4番手から11番手まで落ちてしまって…。すごく残念でした。でも同時に、今後に向けて学ぶべきこともありました」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
アルバート・パーク・サーキットでアレックス・アルボンのウィリアムズFW47をリードする角田裕毅のレーシング・ブルズVCARB 02、2025年3月16日(日) F1オーストラリアGP決勝(アルバート・パーク・サーキット)
「怒鳴っても意味なし」チームリーダーとしての責任
レーシング・ブルズは事実上、今シーズンから若手主体のチームとして再編され、角田は明確なチームリーダーの役割を担うこととなった。組織としての成長において、積極的な関与が求められる。
リーダーとして、今回のミスにどう対処するのかと問われた角田は、気持ちの整理をつけるのは「簡単ではない」としながらも、感情的な対応ではなく、ミスを繰り返さないことが最も重要であるとの認識を共有し、チーム全体で再発防止に向けて話し合うことが必要だと指摘した。
「もちろん簡単なことではありません。何しろウィリアムズは4位(※後に5位に後退)でフィニッシュしているので。レースでは終始、彼らと戦い、後方に抑えていただけに、本当に複雑ですが、単に怒鳴ったり、ネガティブなことを言ったりしても前には進めません」と角田は語った。
また、「チームのみんなも僕と同じ気持ちでいるはずですし、誰も後退したいとは思っていません」と述べ、冷静な姿勢を示した。
さらに、チームリーダーとしての自覚を持ち、「大切なのは、こうしたミスを今後繰り返さないことです」と強調した。
今後も今回のような接戦が予想される中、「接戦では、ほんの僅かな違いが結果に大きく影響するので、あらゆる細部を改善していくことが重要です」とし、「チーム一丸となって確実に成長していきます」と決意を語った。
次戦中国GPでリベンジへ
次戦中国GPではスプリント・フォーマットが採用されるため、週末を通したプラクティスは60分間に制限される。例年にないルーキーの多さもあって、再び波乱の展開が予想される。
角田は、「もちろん、上手くやれない可能性もありますが、今週末のFP1と同じように、最初の段階から良いパフォーマンスを発揮できれば、力強い週末にできるはずですし、さらに良い結果を残せると思います。そこを目指して頑張ります」と意気込んだ。
角田は、今回の戦略ミスを単なる失敗ではなく、チーム全体の成長につなげる姿勢を示した。リーダーとしての自覚を深める中、次戦でチームとともに雪辱を果たすことができるだろうか。
2025年F1第1戦オーストラリアGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを果たして通算5勝目を獲得。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が3位という結果となった。
上海インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦中国GPは、3月21日のフリー走行1で幕を開ける。フリー走行が一回のみのスプリント・フォーマットが採用される。